母のタイムスリップ日記
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2007年09月17日(月) 何の効果?


敬老の日である。
昨日帰り道すがら 「あしたはきっと...」と言う予感がした。

だから 今日は朝早くでかけて 母のお付き合いをしようと決めていた。夕べの芋煮を持って...。
芋煮は ひと晩置くと味がしみこんで美味しい。
好みもあるけれど...母はきっとそうだ。

出るまでにもたついて 少し出遅れてしまったが 昼食の前には着いた。
母は テーブルで浮かぬ顔をしている。
なかなか 立ち上がろうとしなかったが 何とか立ち上がって貰った。その途端 昨日の予感が的中していると判った。
♪遅かったのね 君のとこに... もう少しばかり 早くが良かったね♪
すぐさま トイレ誘導。
母は 気まずさを感じていた。
「大丈夫よ。そのために私がいるんだから。大丈夫よ!」というと
「だいじょうぶと言ったって...」と渋い顔。
下ろしかけたズボンを自分で上げようとしていた。

こういう一連の動作を見ていると 母は判っていると感じる。
緩めだったので 制御できなかったのだろう。
早く家を出ていれば...。 施設に入った時 他の人に挨拶なんかしないで母のそばに行ってあげたらきっと間に合ったと思われる感じだった。

ほんとに済まない事です。
「ごめんね」と母に詫びた。母も済まなそうな顔をしていた。
でも残りは トイレに排泄できた。

ホールでは 食事が始まっていたので 窓を全開して不快な臭いが広がらないように お腹には アロマオイルを塗った。

手洗い 歯磨きを済ませて 居室の椅子に座ってもらった。
職員に居室で食事取る旨を告げた。
配膳は職員がしてくださった。
ご飯を一口運んだ時は いつも通りの顔だった。
芋煮の蒟蒻を運んであげると 「うふふふ」と小さな声を立てて笑う。気のせいかとも思ったが それから 施設のご飯と芋煮の時との様子をみていると やぱっり 芋煮を食べる時は「うふふふ」と小さな声を出して笑った。
「芋煮だよ」と言っても「?」と言う感じだったのに...食べると判るみたいだ。
五感の為す「めぐみ」なんだろう。

昨日も他の家族に「〇さんは 食べる意思があるから...いいね」と言われた。

比較的そうなんだろうと思うけれど でも 一時は ご飯を運ぶとぷいと横を向いたり 口を閉じたままだったりの日々が続き 騙し戦法で毎日食事介助していた事もある。
このまま 食べなくなるのではないかという不安に駆られたものである。
嫌がっているのだから 噎せも出たし...。
嚥下力の後退かと冷や冷やしてもいた。
首の運動を繰り返し 外に出て刺激を受けて...そんな日々を繰り返しているうちに ゆっくりと快復してきた。

こうやって 芋煮を美味しいと感じて「うふふ」と笑えるようになって嬉しい。
母の嚥下力は ある程度快復したという事だろう。

でも昨日 私に「食べてくれるから...」といったご家族の入所者は今 全てミキサーになってしまっている。
お昼の食事は 母の食べる前から始まっていたと思う。
母が 家から運んだものを含めて食べ終えて食器を片付けている時まだ その方は 3分の1も口にしていなかった。
職員が介助していた。
職員に「介助しますよ」と伝えて 母をホールの椅子に座ってもらった。
それから ゆっくり介助を始めた。
「良く噛むと 頭の血の巡りが良くなるのだそうですよ。私 忘れっぽくてね だから しっかり噛んで食べる事にしたのですよ」とお話すると ニッコリ笑っていらした。
最初は やはり口を開かなかった。
「お腹空いてないの?」と聞くと頷かれた。
「そうかぁ〜 それじゃ 食べるのは辛いね」じっと私を見入っていた。
「水分は 血が濃くならないようにするために必要なのよ。飲んで見る?」頷いた。
目の前には 実のない味噌汁(トロミなし) お茶 高カロリーの液体の3種類が水分としてあった。
「お味噌汁ですよ」と口元に運ぶと ごくりと飲んでくれた。
「次はお茶ですよ」と口元に運ぶと またごくりと飲んでくれた。
幾度か 水分を運んでから 酢のもののミキサー食を運ぶ。
スプーンで運ぶと歯を固く閉じて受け入れ拒否。
器を口元に運ぶと唇についた酢の物をぺろっとなめた。
でも酢の物は基本的にあまり召し上がらなくて お粥のミキサー食は「ご飯ですよ」と口元に運ぶとごくりと飲み込んでくれた。
水分は 全量摂取。+ポカリスウェットを。トータルで800近くを摂取できた。後は ご飯を半分。おかずは2品を3口4口程度。
話しかければ じっと目を見てくれるので聞いていてくれていると感じる。だから「ありがとう」「嬉しい」と繰り返し伝えた。
食後 ソファーに移動した時握った手をギュッと離さなかった。
考えれば この人は随分前からギュッと握って手を離さない。
これまで 癖なんだろうと思っていたけれど ひょっとしたら不安なのではないだろうかと思った。

その後 昨日右手だけ爪を切ったので今日は左手の爪切りをした。昨日は 少し嫌がっていたが今日は 何も言わずに切らせてくれた。母だけとゆっくり食事したからの効果かなぁ〜。

爪切りを出したついでに 爪の伸びている入所者に爪切りを渡して「爪切られませんか?」と言ってみた。
その方 食後からウロウロと険しい顔をして動き待っていた。
声をかけると「母が具合が悪くて...帰らなくてはいけないのです」とそっけなかった。
爪切りを渡した時は「いそがしいのよ」と言われたり「慣れない爪切りは使い方が難しくて...」なんて言われていた。
がとても綺麗に切っていた。
「じょうずですね」というと「これくらいはね」と言っていた。
右手の薬指と小指のところまで来たら「切って頂戴」と依頼してきたので切って差し上げた。
最後に鑢をかけたら「ここまで丁寧にしてくださって あなた優しいのね。ありがとう」と感謝された。
またまたついでに 「髪の毛を梳かして見ませんか?」と居室に誘導するとついてきてくれた。
そこでゆるめにドライシャンプーし頭皮マッサージをして髪の毛を梳いた。
「ありがとう♪何から何まで...ほんとに...」とお礼を言ってくださった。
母も以前は 落ち着いている時は 同じような事言ってくれたんだけれどなぁ〜「...」

その後 険しい表情は消えて じっと椅子に座って落ち着かれていた。

今日の母は 他の人にいろいろして差し上げてもニコニコ見守ってくれていた。やきもちを焼いたりする事はなかった。
トイレのタイミングは遅れたけれど 芋煮の効果があったかな?

どの方もゆっくりと向き合って貰えれば 落ち着いてくるように感じるんだなぁ〜とつくづく感じさせられた一日だった。
みんなが 落ちついてくれるとこちらも満たされる。


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