母のタイムスリップ日記
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母の表情を見ながら必要かなと思った時に 居室に入りギュッと抱きしめる。母が不安な時は 更に母がギュッと抱きしめ返してくる。
こんな日が来るなんて 思いも寄らなかった。
考えれば 母は 子供をギュッと抱きしめて子供の安定を図る時があった。 私は このギュッがあまり得意ではなかった。 だから 母にそんな風に甘えた記憶がない。 手を繋いだという事も記憶にない。
そんな私が 認知症となった母と手を繋ぐようになった。 それから数年後 母をギュッと抱きしめるようになった。
私の中の変化もあるが 母の内的変化がそうさせていると思う。 在宅の頃 母が不穏になるとたまにギュッと抱きしめた。 が 母は私の腕を振り払っていた。
今 母は腕を振り払う事は殆どない。
今日 職員が 母から抱きしめてもらったと話してくださった。 「迷惑ではなかったしら?」と思ったが 職員は「癒された」と言ってくださった。続けて「介護職に就いて こういう経験は初めてです」とも言われた。
「母は どの職員も抱きしめているのだろうか?」と聞いてみた。 職員は「確かめた事がないので判らない」と言われていた。 いや 私の興味は そういう時の母の意識がどの程度あるのかという事。 誰でも良いのか?人を選んでいるのか?という事なのだ。
母の変化は 人に対してだけではない。 最近 我が家に泊まる時は たらこの抱き枕が隣にいる。 最初は 触れなくとも その内にしっかり抱きかかえている。 おそらく 心の安定を図っている筈。 リハを受ける時もぬいぐるみを隣に置くと抱きかかえる。 ぬいぐるみに関しては 特別に決めた物がある訳ではない。 ユメルでも グルミットでも プーさんでも たらこでもよいのである。 きっと 母を丸ごと受け止めてくれる存在なんだろうなと想像している。
こういう事も以前の母になかったことだ。 こちらからは計り知れない不安が母には有るという事だろう。
言葉を思うように発せられなくなった頃より こういう現象が強まってきていると感じている。
今日は ちょこっと母の様子を見ておきたくてお昼を狙って出かけた。 母は相変わらず やや不安げ。 居室で歯磨きをした。 上の入れ歯は磨いて戻せたが 下の入れ歯は装着拒否。 幾度繰り返しても拒否が続いた。 幾度か目で「痛い」と言った。 「何処?」と聞くと痛いところに触れていた。 良く見ると赤く炎症を起していた。 下の入れ歯装着は 諦めた。
トイレ誘導すると 排泄大・小共にジャストミート。 トイレで用を足せたことにホッとしていると感じた。 トイレで固く握手。ニコッと笑顔を返してくれた。 言葉はないのだが 意思が通じていると感じる瞬間でもある。
皆に遅れてテーブルについて食事を始めた。 下の入れ歯を外してなので 献立が気になった。 今日はハンバーグなので 大丈夫そうだった。 きゅうりの薄切りの漬物は ちょっと外した。
だんだん笑顔が増えてくる。 排泄不安が解消されたからだろうか?
食後の口腔内を点検してから 施設を後にした。 今日は 介護者の会なので 其の儘チャリで直行。
介護者の会は いろんな事情でお休みの人が多かった。 血圧が乱高下しているので いつデイからお呼びがかかるか判らないという方 誤嚥性肺炎で入院中の方等様々な理由がある。 介護が重い方へと変化している。 最近の会は 医療的な話が話題に上る事が多くなった。
介護仲間の一人は イロウへ踏み切ったと言われた。 イロウの選択は本人や介護者の判断が大切と思う。 イロウ設置によって 元気を取り戻せる人もいる。 逆の場合もある。 そういった説明をきちんと受けた上で選択すべきと思う。 残っている体力や気力もその判断の目安になると思う。
夕方に 打ち合わせが入っていたの其の儘電車で移動しようと思ったら外は雨。洗濯物が気になり 急いで家に戻って取り込んでから 駅に向かって電車に飛び乗り 打ち合わせの場所に滑り込んだ。
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