母のタイムスリップ日記
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| 2007年01月19日(金) |
いったいどっちかな? |
昨夜 夫は仕事で泊まり 娘も帰りが遅かった。 そこで ひとり 志の輔の「抜け雀」をCDで聴いた。 落語をCDで聴くって あまり好きじゃなかったけれど 久々1人でわっはっはと笑ってしまった。 そういえば 最近 こんな感じで声を出して笑うってあまりなかったかな?
ながらで聴いていたら 本筋に入るところを聞き逃してしまい もとに戻って再度聞き入る。
CDで聴くって こういう時便利かな? でも ちょっと無粋だね。
今日は 午後に母の所に出かけた。 違うフロアの方が 1人遊びに来ていた。 私の顔を覚えていらっしゃる様子で「久しぶりですね」と挨拶してくださった。でも いつもと違うフロアにいるという事を時々忘れてしまわれている様子で「あ そうだったわ ここはいつもの所じゃなかったんだわ」と思い出されていらした。
Oさんは 同じフロアの入所の女性をご主人と思い違いをなさる。 女性だから 男性と間違われる事は 嫌だろうと思う。 それでも 認知症だから「違うよ」と否定されたら気持ちが落ち着かなくなってしまう。 どちらの味方も出来ないけれど 回避する事はできる。
Oさんの傍に行き「ご主人は 今 病院にお出かけですよ。良く見てくださいよ。あの方 女性でしょ」と小さな声で言葉を向けると「主人は 病院なんですか?あら ほんと 女性だわ」と納得してくれる。 でも ちょっと時間を経るとすっかり記憶が抜けてしまっている。 そして ご主人と思って女性に声を掛けられ 嫌がられてしまう。 じっと見つめられるだけでも その女性は嫌みたい。
考えれば 訳も判らない事を繰り返し言われ それも異性を見つめているように感じ取れれば 気持ちは良くないかも知れない。
今日は チョコチョコとOさんとお話した。 髪の毛を梳いてあげたら「ありがとう。貴女は良く面倒見るのね」と言われた。面倒を見るというのは Oさんの面倒ではなくて 母の身の回りのことを 見ている事を指している。 居室で 母の髪の毛をドライシャンプーしている時 幾度も部屋の前まで来て覘いては去るという事を繰り返していたのだった。
母も含めて皆でテレビを見る時もお誘いして隣り合わせるようにしていた。 ホール内をウロウロ始めて またOさんともめ始めたので 居室にお誘いしてお話を伺う。 すると 涙をいっぱい溜めて「主人と離婚した方が良いと思うけれど 父も母も我慢しなさいというので...主人はお金を使ってチョコレートを食べたりするけれど...」と言われた。 そういえば その女性だけポッキーを召し上がっていた。 やはりごちゃごちゃしているのだろう。
「あらそうですか。ご主人 立派な方じゃないですか?今 病院にお出かけでしょ。きっと程なくお見えですよ」というと「そうかしら?」と意識が戻られた。
ふと手元をみると手の爪が大分伸びていた。 「あらら 爪がすっかり伸びてしまわれましたね。危ないので切った方が良いのではないでしょうか?」と向けると「そうね 随分のびてしまっているわ」と言われた。 居室に行き 爪切りを取って渡した。 膝の上には新聞紙を広げて差し上げる。 ご自分でパッチンパッチンと爪を切り始めた。 きっと1人でもちゃんと切れると思うけれど とりあえず爪切りの終わるまでそばで見守らせて頂く。 切り終えると「ありがとう」とまたしっかりお礼を言われた。 でも 少しギザギザしていたので危ないので鑢をかけて差し上げた。
この様子を見ていた職員が首をかしげておいでだった。
勿論 母の事は施設に着いて直ぐ介護していた。 割りにニコニコしていた母だった。 トイレ誘導しようとした時 何となく臭ったので「遅かりし由良のすけか?」と覚悟を決めていた。 が まだ 出ていなかった。
便座に腰掛けて お腹をマッサージ始めた途端 スルスルと...。 意識しないのに 絶妙のタイミングとなった。 洗面台で手を洗っていると鏡を見て髪の毛を手で直し始めたので ついでにドライシャンプーをした。 洗面台には 見える場所にブラシや櫛が置いてあるのだが 母はもう自力で櫛やブラシを持つ事はない。いつも手ぐし。 それでも 鏡をみておかしいと思い手ぐしで直そうとするのだから 嬉しい事なんだけれど...。
その後 母は俯いたりが多くなった。 「痛いの?」と聞くと頷く。 「何処が?」と聞くと頭を押えた。 触れると痛がるので とりあえず検温した。37度だった。 微妙な所である。鼻水も出るようだがそれも酷くはなくて 通常の範囲と言う感じである。 再度 トイレに誘導すると 排尿がありお腹がごろごろしていた。 お腹に湿布薬を擦り込んだら ガスが抜けた。 「痛いのは どっちなんだろう?頭?お腹?」
職員には 排便の事と頭が痛いといった事を伝えておいた。 一過性のものだと良いのだけれど...。
夕方 Oさんのご家族が見えて 外出された。 安心なさったような表情で また「いろいろ ありがとう♪」とお礼を言われた。認知症で直ぐ忘れてしまう筈なのだけれど いつもお礼を言われる事を考えると 芯が残っておいでだと感じるのである。
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