母のタイムスリップ日記
DiaryINDEXpastwill


2006年03月21日(火) 大冒険?


今年 2度目の観梅に出かけた。
タクシーを呼んで向かった。
今日は タクシーを降りた時 梅園のガードマンの人が降車を助けてくださった。
入り口の関所(階段)。
母は 躊躇うことなく上ろうとした。
一段ずつ両足を揃えながら上った。
祭日で混雑していたけれど 誰の手助けも借りずに上れた。
相変わらず両手で支える形での介助である。

前回と同じコースで上った。
坂がきついのと人が大勢出ているので 母は途中嫌気がさしたみたいだ。
「歩ける?」と聞くと「歩ける」と言うので 茶屋のある所まで休息せずに上りきった。
上では 篠笛の発表会で人が溢れかえっていた。子供たちは座り込んでいて道を塞いでいた。
すると 高齢の方が「ほら 道を塞いだら通れないでしょ」と子供に向かって注意してくださった。
急いでいる訳でもなかったのだが 何しろ母が疲れていたので助かった。
母の歩く様子にきがついて 席を譲って下さろうとしたが お礼だけ伝えて空いている席に進んだ。

今日は 故郷なまりが聞けそうだ。
おじさんのお店の前に陣取り 方言で話しかけた。
叔父さん 最初は母の様子にショックを受けたようで話す言葉もぎこちなかった。

テーブルに 持参したお稲荷さんを広げた。
全部で8個。
2個は昨日のたけのこご飯の残りを詰めた。
後の6個は 春を装ってビーツを摩り下ろしてお酢とみりんと塩を混ぜ 庭に芽吹いたウコギを茹でて刻んだ。
ビーツ入りのお酢とご飯を混ぜ合わせ ご飯をピンクに染めてウコギと胡麻を混ぜた。  2食の稲荷寿司なのだ。
先日 いなり寿司を作った時の残りの揚げを冷凍保存していて良かったわ。
茶店で暖かい汁物を購入した。
母が最初に選んだのは たけのこご飯の稲荷だった。
口に お寿司を運ぶとモグモグ。
予想以上に母は 食べた。
「もう良いかな?」と聞くと「未だ」と言うほどだった。
これも昨日の残りだが 長いも 南瓜 クワイ の素揚げもしっかり食べた。
穏やかなお天気で ブレザーを脱ぎ椅子の背にかけたら 母も上着を脱ごうとしたので 母の上着も脱がせた。

おなかが満たされた頃 叔父さんが話しかけてきた。
「お母さんだよね。いくつ?」「90歳」
「俺の親も93歳まで頑張ったんだよ。あんた よくここまで連れて来たね」と言われた。
「おじさんと方言で話して欲しかったから…」と言うと笑っていらした。

そろそろ潮時かと 中ほどまで降りて…一休みした。
チョコチョコとデジカメを取り出して撮影。
「じゃ 帰ろうか?」と声をかけたら「まだ」と言い梅を見上げた。
通り過ぎる子供の姿に目を細めて「見なさい」と言ったり…。

入園してから出るまで…2時間ちょっと。

これからが今日の大冒険である。
梅園の外に出た時「タクシーに乗る?」と聞いてみた。首を横に振る母。
「歩ける?」「歩けるよ」と言うので…。
45度傾斜の長い坂道を二人で降り始めた。
両手を介助し右腕で母の胸を支えて…テク テク テクとゆっくり。
元気な人だって 大変な坂道だ。「ちょっと無謀かな」と思いながら…。

認知症でも 未だ十分に歩けた頃 幾度かはここまで足を運んだ。
それも バスとかタクシーとか使わずに 家から歩いていた。
お嫁さんが来た時も 母を連れてここに連れてきて貰った。
この坂を上ったのである。
確か80歳の頃の話しだ。
母は ここに来た記憶は もう残っていないと思うが…。

坂の中ほどで休息していると「あら 頑張っているわぁ〜」と言う声がした。その中のお1人が「年よりは 嫌だろう」と言われた。
母が疲れ始めている頃だったので 私の顔に斜線が入った。
「リハビリみたいな物ですから…」と言うと「そうよね。それは大切だわ…」とお連れの方の声。。。

「歩けるかなぁ〜」と聞くと顔に斜線が入り始めた母が「あるける」と言ってくれた。これは もう 私に向けた励ましの言葉でも有った。
「あんたのために頑張る」というメッセージ。。。

数回休んでようやく平地に降り 大冒険もようやく終了。

平地になったら 見る見る足取りが重くなってきた。
きっと 排泄だろうと想像していた。
梅園のトイレは 母には使えそうにないので仕方ないのだが…。

大きな通りまで出れば タクシーも流しているだろう…と思い ひと頑張りしてもらった。
タクシーを捕まえてようやくホッとした。
施設の前で下ろして貰ったが…。
このタクシーは 椅子が回転するタイプだった。
降りるのは 本当に楽だった。

タクシーを降りた後も母の足取りは とても重く言葉すら出て来なくなった。玄関をくぐって 職員が出迎えてくださった。
椅子に腰を下ろした後暫くは 動く事すら嫌と言うほどだった。
耳元で「よく頑張ったね。有難う。大変だったね」と言うと記憶に有るようにコックリ頷いた。

居室のトイレに誘導。少し濡れていたが 残りはトイレに排泄できた。
手洗いうがい後 椅子に座って貰った。
母の額に汗が滲んでた。
デジカメや携帯の映像を見て「行って来たね。疲れたでしょ」と言ったら 母も外出を覚えているようだった。

着替えてから お茶で水分を補給した。
コップに数杯。
梅園の中でも 叔父さんが「お茶 いっぱい飲むね。それが一番だよ」と言うくらい水分補給をしていたのに…。

一休みしたら 母は元気を取り戻した。
ホールのソファーに移動して テレビでWBC観戦。
梅園に来ていた人の中には ラジオを聴いている人もおり 日本がリードという話しが聴こえていて タクシーの中では「追いつかれそうになっていたのにまた得点した…」と途中経過を聞いていた。
それが…9回の裏2アウトで2ストライクになり ここで職員も野球観戦。
いや「いよいよ 優勝の瞬間ですよ」と職員に伝えて 仕事を中断させてしまったのだ。
この数秒後 優勝決定!!! 職員・入所者共に「わぁ〜い!」と言う歓声が上がった。

職員は直ぐ仕事に戻り その後少し遅めのおやつをみんなで頂く。
おやつが済んで 母もまたテレビに視線を移したので 施設を後にした。

今日は とても穏やかなお天気で 外出するのに気持ち良いお天気だった。


はな |MAILHomePage

My追加