母のタイムスリップ日記
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2006年03月18日(土) 卒寿を祝う会


グループホームのお誕生会。
母の洋服が昼前に届いた。ギリギリセーフだ。
弟は「ろくな服がないよ」と言っていた。
確かに こちらで予想していたのとは違う服だった。
でも 結婚式や在職中 入園・卒業式の時に着用していたワンピースが一着入っていた。思い出いっぱいの服だ。
ちょっと試着(私がです)。
いやぁ〜私がやっと着られるという事は 母には無理かな?
もっと早く送ってくれれば 新調も出来たけれど…もう間に合わない。
後はスーツ2着だ。
そのうち1着は 母の手作りスーツ。
おそらく 今の私と同じくらいの年に作った物だろう…。
スカートのウエストがキツキツだ。母には絶対無理。
でもスーツだから ウエストは隠れるだろうと思い 2着とも念のため持って行くことにした。

問題は ワンピースにしろスーツにしろ ストッキングが必要で 母がストッキング着用はかなり無理がある。
苦肉の策として ダンス用の黒のスパッツを取り出した。
これはかなりきつめだが 伸びる。だからストッキング感覚になるだろう。
靴下も黒にして…母の所に向かった。

職員が 皆さんにお誕生会を告知してくださっていたようで 私にまで「おめでとうございます」と言って下さる方も要らした。
母を居室に連れて行き 洋服を見せた。
「まぁ〜いい事」と初めて見たという感じの言葉。
「これ 見たことない?」と聞くと「あるね」と返事。
「ほら 入園式 卒園式 結婚式とお祝いの時に着ていたよね」と言うとコックリ頷いた。でも 未だ半信半疑と言った風。

この生地を買い求めてきた時「ホラ見てよ…良いものが安くなっていたから買って来たの」と見せてくれた。
それから 暫くスタイルブックを広げて洋服のデザインを考えていた。
誰かの結婚式に呼ばれたので あれこれ考えて作ったのだと記憶しているが…はて 誰の結婚式だったのだろう?
職場だったのだったのか?親戚だったのか?
仕上がったワンピースをみて「ふうん」と見ていたと思う。
派手すぎ地味すぎず華やかさもあるボータイのワンピース。
レースなのだが 厚手の物でこの季節でも十分着られる。
何れにしても 30年以上の時を経過している。
最後に着たのは何時なのか…覚えていないが…。
子供たちの結婚式には 留袖だったので…。
10年位は着用していただろう。

今 私が着ても様にはならないが 娘だったら…レトロな感じで着られそうだ。

さて 試しに…と母に着用してもらった。
左手を上げると痛みが出るので万歳ポーズが出来ない。
それでも スルスルと入った。
痛いはずの手なのに「痛い」とは言わなかった。
さて 腰周りは…裾を下に引っぱったら ほんとにぴったりだった。
緩みはないが はちきれる感じもなくて…。これでOK。

着用してから 整髪。
頭髪用のウォーターをスプレーして ドライヤーをかけた。前髪はヘアアイロンで…。
顔には ちょっと下地クリームを塗って コンシーラを使ってしみを隠して
ぼかした。「もっとお化粧する?」と聞くと首を横に振ったので 後はオレンジ系の口紅を紅筆を使って塗って上げた。
濃い化粧は好きでないので これくらいが丁度良いだろう。

鏡に向かっているうちに 母の記憶が甦ってきたようで…。
「卒業式…。子供たち…」と言う単語が久々に飛び出した。

○○(次男)が お祝いするからと言ったら送って来てくれたんだよ。ありがたいね」と言うと「○○が…」と反応していた。

もう1人の卒寿を迎える方も 母の居室でお支度をした。
職員がお化粧を施し 頭髪はヘアアイロンを使って 少し逆毛を立ててボリュームを出した。
息子さんもお出でなのだが…この手の事は やはり女性ならでは仕事だろうから…。

支度ができた所でホールへ移動。
二人とも特別な日という事は理解できている様子。
誕生日という事もボンヤリわかっているように感じた。
ホールでは 写真撮影。
職員もうちの娘もカメラマンよろしく幾枚も写した。
娘はポラロイドを持参し もう1人の卒寿を迎える息子さんに仕上がった物を差し上げていた。
今時は 携帯カメラもあって いろんなカメラが総動員だった。

それから たこ焼きの支度。
何でも大阪にあるという家庭用の電気たこ焼き器を2つ使うのだ。
私は葱を刻んだ。他は職員がしてくださった。
この器具は専用の粉があるとの事だった。
入所者の中には たこを食べられない人もおり 職員がはんぺんとチーズを準備し2種類のたこ焼き?を焼いた。
葱を刻む時は 母ともうひとりの方を向かい側に座ってもらい 切る時の指導をして貰った。
「これでよいでしょうかしら?」「これは 随分小さい葱だね」
「そういえばそうですね。細いですね。今度からは もう少し太い物を使うようにしましょう」等ワイワイとおしゃべり。。。
母は一言も発しなかったが ニコニコしていたので楽しんでいたと思う。
葱のみじん切りは さすがに無理なので…監督して貰ったのだった。

お茶とたこ焼きと2色のアイスクリーム。
みんなが美味しいと言い お変わりをした。

最後に花束贈呈。
「お誕生日おめでとう」と言ったら母は「ありがとう」と言った。

誕生会が終わって 服を着替える時が大変だった。
着る時は 一言も「痛い」と言わなかったのに「肘を曲げて…」の言葉も通じなくて…洋服を少しずつ移動させ調整しながらようやく脱がせることが出来た。
「これは こっちに置いて…」と言う母の言葉に判っているんだなと感じた。愛着のある衣類が少しあるだけでも気分は違うだろう…。

送って貰って良かったわ。
とても素敵な卒寿を祝う会となりました。

おまけ
母が脱いだ洋服を娘も試着してみました。
やはりピッタンコでした。ベルトのバックルを替えれば十分着られる…。
職員は 30年前と体型が変わっていない事に驚いていました。

次は白寿?どうだろう…???





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