母のタイムスリップ日記
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2006年02月27日(月) 迷いつつ…でも喜び連発!


 利用者さん訪問。
いつものように活動。
昨日 ご家族が揚げ物を運ばれた様子なので「煮物でも作りましょうか?」と伺う。
「そうね 先日のきのこが手付かずだから…それを使って頂けたら…」と言われた。
買い物同行時に何と煮合わせようと棚をキョトキョト。
いつも豚肉はロースを購入されて居られる利用者さん。でも今日は豚バラを勧めてみた。ちょっと躊躇なさったが「お任せします」と言われたので購入。ついでにコンニャクも。
これで 煮物決定。豚バラ肉とコンニャクと人参とシメジと椎茸の煮物。
他にもメモに沿ってお買い物。
生姜を千切りにしてバラ肉と炒め それから他の物も軽く炒めて後はグツグツ。お砂糖と醤油で味付け。味付けは砂糖を先に少し入れて 後はお醤油を少しずつ足して薄めに仕上げ 最後にまた醤油で調整。
仕上がってから 煮汁が少し残っていたので 急いでキャベツの外葉を刻んで煮汁で煮た。
これで2品仕上がった。お野菜を食べやすいように…お好みの形に…。

訪問した時「どうもトイレで水が流れる音がするのです」と言われた。「水道メーターが上がるのはこれか?」とトイレに行ってみた。
確かに音がする。でもタンクに流れ込む音でタンクから流れ出ている形跡はなかった。
買い物から戻っても未だ流れる音がしていた。
煮物を煮ている間に 再度トイレに。
今度は音がしない。
再度水を流してタンクに注ぐ水が止まったのを機に タンクのふたを開けてみた。ひょっとして中がヌルヌルしているせいではないかと思ったのだ。
チョロチョロと出ている注ぎ口をスポンジで擦ってみた。
するとピタッと止まった。
ふたを閉めて再度流してみたら ちゃんと止まった。
「これで大丈夫か?」一応止まった事を伝えて暫く様子を見ましょうという事にした。

活動を終えて しばし迷う。

家に帰って食事してから母の所にいこうかそれとも直行しようか…。

昨日 一昨日とこちらの都合で母の所に行っていないので「迷っている場合か!」と直行する事に。
途中で母も食べ易い物を見繕って昼食を購入してバスに乗り込んだ。
施設に付くと 母の居室のお隣の方からお礼を言われた。
「お人形のおかげで 音はしなくて良く眠れました」という事だった。
「それは 良かったです。また 何か困った事有ったら遠慮なく言ってくださいね」と伝えた。
どれ程の効果があるか判らなかったが 解決できたようでホッとした。

母をトイレ誘導。失敗はなく待っていたようにトイレで出来た。
手を洗っている時 また母が頭を気にしていた。

「美容院かな?」「観梅かな?」とまた迷う。

外は寒いし観梅にはあまり適さないお天気なのだ。
でも気持ちの中で「ふるさとの方言」に早く接してあげたかった。
今日は 帽子を被せて誤魔化して観梅に行く事に。

外に出て また迷う。

バス?タクシー?

とりあえずバス停までテクテク。
バスに乗れば 次は電車に乗り換えねばならない。
母にとってストレスにならない方がいい。梅園に行けば 坂をかなり上らなければならない事を考えるとタクシーの方が良さそうだ。
「タクシーを拾うわ」と母に伝えると 目の前を過ぎる車を「これか?」と言う。「これは 違う」そうこうしている内にタクシーが見えた。
空車かわからないけれど 手を上げたら止まってくれた。
基本料金で梅園に着いた。配車を頼んだら割高になるので助かった。

しかし梅園の前で立ち尽してしまった。
手すりのない階段が8段ほど。
母は「嫌だ」と言う。

帰る?入る?
「ここまで来たのに…」と言う思いが沸々と湧いた。
娘の友人で訪看している友人がいて「バリアフリーになったと言うけれど 車椅子でも大丈夫か」と聞かれていた事を思い出して「無理だわ」と思った。階段を上ってしまえば手すりはあるようだ。
「なんと中途半端な…」と腹が立ってきた。

「無理は禁物。引き返そう」と思った時 階段を上りかけていた外国の方が階段を下りてきた。言葉は出さないが私たちの前に立ち止まった。
「手を引いて貰えますか?」と聞いたらコックリと頷かれた。
母は何の迷いもなくその方の差し出した手に掴まり階段を登り始めた。
一段ずつ両足を揃えれば何とか上れた。
外国の方は 母の歩調に合わせるようにゆったりと優しく介助してくださった。母は その方を見て頭を下げていた。
嬉しい光景だった。
案内所の叔父さんは 受付から出てくる事はなかった。
「バリアフリーになったと伺ったのですが…」と精一杯の言葉を出し「あの階段はどうにかならないのですかね」とも付け足した。
「あれはどうにもならないんですよ」と即座に言われた。
「今 助けて頂きようやく上れました」と駄目押し。

そんな言葉を交わしながら 入園料を払ったら ようやく叔父さんが外に出てきて この先がバリアフリーになっています」と言いながら 私たちの後ろを付いてきた。
母は右手で手すりに掴まり左手は私が支えているのだ。
バリヤフリーの坂まできて「大丈夫ですか?」と聞いてきた。
「はい 何とか行けます」

この梅園には 幾度も着ているので急勾配である事は十分知っていた。
母も幾度かここまで来ているが覚えては居ないだろう。

ふと 母が足元ばかり見ていて梅を見ていないことに気が付いた。
「ホラ 梅の花よ」と声をかけた。
母は首を上げた。「わぁ〜」と呟き声がくぐまる。涙が光っていた。
「ありがとう」と言った。
バリアフリーとは言っても 勾配はきつい。両手を引いて坂を上った。
ベンチを見て「あそこへ…」と。ベンチで一休み。
赤白の梅の花が咲き始めたばかり…。
頂上に行かないと「ふるさとの方言」は聞けないので またゆっくりと歩き出した。途中「寒咲きのあやめ」が咲いていた。その後ろには福寿草が背を伸ばして咲いていた。とても不思議な景色だった。

頂上まで着いたら露店が半分閉まっていた。
お目当ての叔父さんは つい今しがた「人が少ないから…」と引き上げて行かれたという事だった。残念無念!
茶屋に入って お決まりの甘酒とお饅頭を頂く。
母は寒い様子で お饅頭を口にした時「冷たいんだね」と言った。
私のダウンコートを脱いで 母に掛けてあげた。

甘酒やお茶で手を温めながら休息。
売店の荷物を搬入する出入り口があると判り 茶屋の人に「車椅子の人はあの入り口から入れないのですか?」と聞いてみた。
「前もって連絡頂ければ あちらから入れます」という事だった。
入り口の叔父さん そういう事も説明してくれなかったよ。。。

でも 大変だったけれど階段や坂道も上れたのだもの…良かったんだわ!
帰路の途中でトイレがあった。
「トイレ行かない?」と聞いたら…「もう 出ちゃったからいい」と。
これにも驚いた。こんな事言った試しがないのだもの…。
どういうトイレか判らないので 無理をしない事にした。

下り坂も無事降りられて 階段も無事下りた。
梅園の前にある児童公園のベンチに座りタクシー会社に配車を依頼。
程なくしてタクシーが来た。
公園内の私達を探せない様子でウロウロ。「ちゃんと公園内にいます」と伝えたのに…。

母をベンチに座らせた儘 タクシーに向かって走り出し ハッとして後ろを向いたら…。

母が荷物を持って立ちあがろうとしていた。
「ギョエイ!また同じ事が…」慌てて母の傍に戻りセーフ!危ない危ない!

公園内の人の気配に気が付いた運転手さんが車を止めてくれた。
これで ようやく施設に戻った。
母は 車に乗り込む時「ありがとう」と運転手さんにお礼を伝えた。
降りる時 料金を出したら「お受け取りください」と言った。
「何でだ?」頭を下げてお礼の意を表すけれど 今までこんな事言った事もないのに…。

迷いに迷いながらのお出かけだったけれど…出かけて良かった。
お正月の母の様子を思い出しながら 良くぞここまで…と思う。
母の気力でここまで来られたんだと思う。
やんちゃな娘は いろんな事をさせるよね。
でもその度に「嬉しい顔と感動の涙」を見せてくれる母だからここまで来れた。三歩進んで二歩下がる歩みでは有るのだけれど それも溜まっていけばこんな事もできていた。ほんとにほんとに有難う♪

嬉しくて 施設の仲間にお饅頭のお土産を買った。
施設に着いた時 丁度おやつが始まっていた。
お饅頭を渡したら職員がみんなに分けてくださった。

トイレ誘導で母の言った通り パットが濡れていた。
「やっぱり 排泄 わかっているだね」


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