母のタイムスリップ日記
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2005年10月07日(金) おかちゃんとは兄弟だもの…!


 利用者さん 訪問。
家の中がいつもより乱雑。この所 そういう日がある。
未だ気持ちが落ち着かないのだろうか?
単刀直入にも聞けなくて 様子を見ていた。
話し振りでは 楽しい旅行のお話。。。
そうか お疲れなんだなと思った。
旅行に行かれたのは水曜日。火曜はデイがあった筈。そして木曜は ヘルパーさんがいらしている筈だ。
それらの日々の事を ゆっくり話して下さるのだが 今日は言葉の選び方が妙に時間が掛る。
そのうちにコンコンと咳をなさった。
そうか 風邪気味かもしれない。
月曜の訪問以来 いろいろあって お疲れで風邪を引かれたのかもしれないと感じた。気温の変動もあることだし…。

「お買い物がある」とメモを出されたので 一緒に買い物に行く。
メモに沿って買い物を済ませて戻った。

活動時間が残り僅かとなったが 食事の支度がしやすいように下ごしらえをした。小松菜は洗うだけにしておこうかと迷ったけれど 下茹でまでした。
朝 使われたきゅうりとキャベツ 少し残っていたので 人参としょうがを加えて浅漬けを作った。
特用のベーコンは 3つの袋に分けて ひとつは冷蔵庫へ2つは冷凍庫に入れた。ここまで取り組んでおけば 動ける時にはご自分で取り組まれると思う。

「レンジの使い方 助かりました」と言われた。
月曜日の帰り際「冷凍のグラタンをレンジで調理するにはどうしたら良いでしょう?」と聞かれて時間オーバーして 使い方を説明した。
ゆっくりと説明し次に一人で触れてもらい それを数回繰り返したのだった。「何でも勉強ですね」と言われていた。
月曜以降 レンジを使われた様子だった。
「やっぱり やってもらおうと頼るより ちゃんと聞きとめる事が大事ですね」と利用者さんは言われた。
でも 実はほんとに覚えておられるか…それが気になっている。
説明して貰った事は覚えているのは 間違いないのだけれど…。

帰りの挨拶の前に「先ほど 咳が出ていましたね。今年の風邪は 咳が長引きます。無理をすると熱も上がりますから…。土日に是非 通院して診察を受けられてください」と御願いした。

「そうね。そういえば なんかだるいわ。今日はおとなしく家にいる事にします。明日には通院します」と言ってくださった。

月曜は 祝日で活動もお休みである。
ちょっと気になるので 用心のために一言伝えておいたのだった。

その後 人と待ち合わせをして 渡す書類があった。
待ち合わせた場所で無事に渡し その足で施設に向かった。

実は この所こんな感じで 昼食抜きが多い。おかげで体重が減ってきている。いい事ではないのだが 時間の隙間がなくなってきているので仕方ない。あと 暫くの辛抱だから…と半分諦めている。

さて 母の所に行くとみんな食事中だった。
母は ほうれん草のおひたしの入った器を湯飲みに逆さにのせていた。
食事は 殆どすすんでいない。
昨日も昼食は抜いたらしい。
私の顔を見るとポロポロ涙を零した。
「ん〜」と思う。職員は「あらら 泣かれてしまったの…」と切なそう。
気分を変えるため 居室で食事させてもらう事にしてお盆を運んだ。

少し母と遊んで 食事を口に運ぶ。
口の中には食べ物が溜まっている。。。歯茎と唇の内側に…。
在宅の頃 こういう症状になった時は 鬱状態の時だった。
焦りはしないけれど 何とか食べて貰いたいので介助しながら殆どを食べて貰った。それでも口の中に食べ物が残っている。ちゃんと咬んでいるのだが
のどの方に物が運ばれない感じだ。そのくせ お茶や汁物はちゃんと飲み込める…。
入れ歯の不具合か 抗生剤で胃の調子を悪くしてしまったのか 鬱状態か お腹が痛いのか それとも脳に異常が起きているのか…。

聞き出そうとしても 言葉を発しないし 可否を確認しようとしても 両方に頷いてしまう。そして目を瞑っている事が多くなった。

明らかに精一杯の拒否状態に見える。表情は険しくないのだが…。

それでも 食べ終えると少し言葉も出てきた。
「木村さんが…」「男の人が…」どう考えても母の知り合いに木村さんは居ない。職員にも木村さんは居ないし 入所者にも居ない。
ふと テレビかなと思う。
この所 テレビの前にいる事が多い。それもサスペンスだったりもする。
でも継続していないし 私もテレビを見る事はないので 判らない。

口を漱ぎながら 入れ歯に洗浄した。
どこか痛い所がないかチェックしたが イマイチはっきりしない。
職員は 「今朝の歯磨きで『痛い』と言ってました」と言う。
職員に今日歯医者の予約をしてある事を告げるとホッとしている様子だった。でも ほんとの所 何が起きているか…判らないのだ。
言葉を発せない不安もあるかも知れないのだもの…。

外に出たら またどんどん言葉が出てきた。
居室にいる時は ドアをチラチラ見ているのだった。
「おかちゃんとは兄弟だもの…」
この言葉を口にしたのはバス停だった。
始めは聞き流したが…グッと来てしまった。
おかちゃんは きっとわたしの筈。
母は一人っ子だ。
このハチャメチャな発想から 母は寂しいか不安なのだと想像した。
そういえば 居室で 母の左右の頬にかわるがわる頬を寄せながら「大好き」と声をかけると「有難う」と言った事を思い出す。

風邪を引いて以来 初めての外出。それでも 母は疲れたとも言わなかった。「おかちゃんの家に行く。。。」とも言っていた。
原因は 私か…とも思う。

歯医者に着いた。
母は嫌がる事はなかった。順番が来てもちゃんと治療台に乗った。
言葉が通じないと思ったけれど 口をあけたり指示通りに行動できた。

水曜に「歯医者に行こうね」と伝えて 今日も「入れ歯を直しに歯医者に行くよ」と伝えていた。
記憶に残っていたか 入れ歯が合わないと自覚していたのか…。
全く話さないので 判断はつかない。
これだけ おとなしくしているのだから やはりおかしかったのだろう。

「や 変わってないですねぇ〜痛みが怖いのでしたよね」と歯医者さんが言われた時 ちゃんと覚えてくださっている事がとても嬉しく感じた。
そして 娘の私が「判らなくなっている…進行している…」と思っている事を反省した。
だって ほんとに判っているんだもの…。
「変わっていない事をもっと信じて居ないと…娘なんだものね…」

医師は 母が入れ歯が無いと困る事を言わなくともわかってくれ 数時間の内に母の口に合うように入れ歯のメンテをしてくださった。
「上下の歯をかみ合わせてください」と言っても指示通りの行動が出来なかったけれど それでもピッタンコの入れ歯が仕上がった。
入れ歯にちょっと見には判らないひびもはいっていたそうで「それが痛かったかもしれませんよ」とも言われた。
今日は下の入れ歯のメンテ。
「上の入れ歯も直したいなぁ」という医師の言葉。「先日の予約の時 奥様が次の所まで予約を入れておいて下さったのですよ」と伝えると「良かった」と喜んでくださった。
ご夫婦で母の事を心使って戴いて…母も私も幸せものだと思う。

施設に戻って 直ぐに夕食だった。
着替えてテーブルに向かったが また 何も言わない母になっており 食事もすすまない様子だった。
 
「ん〜 何が起きているんだろうなぁ〜」


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