母のタイムスリップ日記
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2005年07月03日(日) アルツハイマー暦5年の方のコンサート


 少し離れた地でコンサートがあるので出かけた。
今日は 全国マイケアプランが企画するシンポジュームがあり そちらに参加予定をしていたが 急にコンサートの案内があり予定変更をした。

アルツハイマー暦5年 現在79歳の男性である。
アルツ発症年齢は きっと母と同じだろう。
穏やかな表情の彼を見て 母の5年目を思い出そうとしていた。

激しい鬱状態は脱出していて それでも帰宅願望が強くて 毎日帰る支度をしていた。
それでも穏やかな日は 1日数枚の刺し子に取組み 更には塗り絵を楽しむ。
ビーズでネックレスを作ったり 友人の子の体操着袋ズック袋も手縫いで作っていた。
勿論 細かな所では助け舟を出したけれど ほぼ 母の手で作り上げた。
集中力も1.5時間はあったと思う。

作業を始める時は「何で私がしなくちゃいけないの!」と怒っていても 作業を始めると「楽しい」と言っていた。
身についている作業は 楽しめたのでそこだけの時間を切り取れば「痴呆」なんて判らないほどだった。

今日の彼も 歌を唄っている間は アルツハイマーと思えない。
両手で力強くリズムを取られる。

そうだ 母もそういうところが有った。
歌詞がわからなくなると歌詞の意味を考えて 歌の流れを思い出して唄い続けていた。譜面があれば 譜面を読み取っていた。

彼は プロだったのだから 歌詞はある程度身についていて譜面も読めるようだった。それでも唄が何処に差し掛かっているかわからなくなるようで 隣にはプロの方が指で譜面の場所を追っていらした。

ピアノやアコーディオンを受け持つ方は 彼の停滞する時間をキャッチし微妙に調整し ずれた事を感じさせなかった。

病が進行してコンサートが危ういとお聞きしていた。
が 今日は しっかりなさっているように感じた。

アルツハイマーになっても しっかりご自分のお話をなさったクリスティーンさん。昨年 講演会に出向いて驚いた。
彼の姿もまた感動であった。

今日のコンサートの入場料は2000円である。
これを高いと見るか 安いと見るか それは人それぞれ違ってくるだろう。

コンサートの最後に 今年北海道でコンサートを開き その折にグループホームにも寄られたという事だった。
其の時 入所以来 言葉を発しなかった方が「アンコール」を願い出たそうだ。「アンコール」と言う言葉を使ったわけではないようですが…。
職員も言葉を出された事に感動し 奥様も音楽が伝わった事に感動なさった様子だった。

彼の日常がどんななものかは DVDを見て判っている事もあるが詳しくは知らない。
けれど 母の5年目を想像してみて 空白も感じられる時も有った。

彼もまた 日常の中で空白を感じる時もあるのだろう。
しかし 歌っている姿には 空白を感じなかった。
お子様もなく ご夫婦での暮らし 寄り添う奥様の苦労も多いのだろう。

知り合いのケアマネも仕事の合間に 応援なさっておられるご様子だった。
今日のコンサートにもバックで支えていらした。

アルツハイマーの就業も考えられるようになっている。
どうか 認知症の理解が世の中に広がり 真の意味での支えあいが出来るような社会を実現できるように…と願わずにいられない。


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