母のタイムスリップ日記
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2005年06月20日(月) 修行が足りぬ


 朝から蒸していた。
それでも 朝は未だ涼しい風が吹いていた。
利用者さん宅に着いた時には 汗が流れる程。
気温が高いというより湿度が高いのだ。

利用者さんは ドアの鍵を開けて待っていてくださった。
「今日は 何もないです」と言いながら 花器を持ち出された。
スモークツリーをドライフラワーにしていたのに 水を入れていらした。
先日 かびないように水を抜いてアートフラワーと一緒に刺したばかりだった。きっと ドライにした事が飲み込めなかったのだろう。
「これは 捨てましょうかね」とスモークツリーを差し出したら「そうですね」と言われたので処分した。

「ハイビスカスの他にお花が欲しいです」と言われたので 買い物ついでにお花屋さんを覘いた。
でも 咲き続けるような花はなかった。
利用者さんは どうしても室内に置いておきたいようで…。
そうなるとお日様なしで咲き続けるというものになる。
夏は ちょっと難しいかな?

と言う訳で 今あるハイビスカスを植え替えることにした。

買い物した物を含めて大荷物となった。
買った物を冷蔵庫に収める。
蕪の葉はレンジでチンして水に取り ラップに包んで冷蔵庫に収納。
きゅうりが 先週の木曜に買ったものも残っていたので 叩ききゅうりにした。こうやって置かないと 夏は野菜の劣化が激しいからだ。
ここまでやっておけば 後は利用者さんが適当に使える。

キッチンでコトコトやっていると「何を作っているの?」と興味深そうに覘かれた。「あらら あっという間ねぇ〜 助かるわ♪」と言われた。

私が手早いのは 自分の家で散々失敗しているからである。
「直ぐに処理しよう」と思いながら 其の儘にする事が多くて ため息混じりになるのだ。
自分でさえ そうなのだから80を越えた利用者さんは もっと面倒な筈だ。

野菜の下処理を済ませてから ベランダに新聞を敷いてハイビスカスの植え替えをした。2鉢ある。
ついでに放置してあった 枯れてしまった鉢を処理。
古い植木鉢は許可を得て廃棄処分にした。

ここまでで活動終了。

午後は母の所に出向く。
その頃には 陽射しも強くなって 出て行くことも面倒になっていた。
でも 母の通院がある。
今日のうちに通院しておかないと…と気持ちを追い込みながら向かった。

母はホールのソファーで空ろな表情。
原因はきっとお腹が不安定で気分が悪いのだろうと思えた。
トイレに誘導するが ガスばかりでいきむ事はしなかった。
早く出ないと夕食まで戻れない…と焦り 排便誘導は適当なところで繰り上げた。

外に出た直後は 表情も良かったが 直ぐに空ろな表情になり「あの人見てる」「あの人怖い」バスに乗り合わせた人を次々に指して嫌がる。
「大丈夫よ。良い人よ」と繰り返し伝えるが この原因は お腹の調子が原因だから 瞬間は納得しても長続きはしないのだ。
だから ついつい こちらもいい加減な対応をしてしまう。

乗り換えたバスは 古い型のバスでステップが少し高かった。
おそらく 何処かで母の事を流してしまっていたのだ。
2段目のステップを上がった途端 カクンと右ひざをついた。
瞬間ヒヤリとした。
こういう 漫然とした対応が怪我の基なのに…。
運転手さんがミラー越しに 冷たい視線を送っているのを感じて空いている席に座らせた。
バスが走り出した。席は空いているのに 母の前後は空いてない。
こんな日は母の傍にいることが必須である。
バス停に止まった時 急いで2個続けて空いている所に移動した。
「おかちゃん いるから大丈夫」

今日のおかちゃんは 私を指している。そのおかちゃん。。。今日は頼りなくてね…♪

何とか診療所には着いた。
それまで不安げだったが 医師から呼ばれ 手を引かれて診察室に入る母は笑顔だった。「先生 元気。。。」と言ったような・・・

母が医師に「先生」と呼びかけたのはきっと初めてではないだろうか?
きっと 頼りなげで何処か気持ちの合わない私の波長より 医師の出している波長の方に心地よさを感じたのだろう。。。

医師はカルテをひっくり返して「お〜もう11年になるんだねぇ〜」と言われた。そう 母をこちらに呼んでもう11年を経てしまったのだ。
「10年ひとむかし」と言うのだから ふるさとを離れて10年 この町に住んだという事だ。
そう考えると 娘の所とは言え 良く頑張ってくれているものだと思う。

血圧はかなり高かった。
「お腹の調子が悪く 娘の対応もいい加減だから 気分がかなり悪いのですよ」と伝えると「そうか 早く良くなるといいね」と母に向かって声をかけてくださった。
数年前なら「痛いの治してください」と医師に言っていたのに…今の母は そう訴えることさえできない。
「笑われるのは 私がおかしいからで無いと わかっているのです」と急に母は言い出した。
そうか 何か視線を感じて嫌なんだなとわかった。

診察を終えて 幾分冷静になったので 水分摂取のためお店に入った。
冷たい物とコーヒーゼリーを頼み 母に食べさせた。
また「お店の人が私を見ている…」と。
それでも お店の冷房にあたり冷たい物を口にしたら 随分落ち着いてきた。

時計を見ると もう施設の夕食ギリギリの時間となった。
外に出て「帰る?」と聞くと「未だ」という。
焦る気持ちを抱えながら 少しアチコチ見て回った。
それでも 母の気持ちの落ち着くのを待ってもいられなくて…帰路に着いた。

施設に付いても機嫌は悪いまま。
配膳が始まった。
トイレ誘導してからテーブルに着いた。

「今日はお腹が安定しなくて機嫌悪い儘です」と伝えると「牛乳飲ませましょうか?」と言われたので「飲ませなくとも きっと今晩か明日には必ず出ると思いますから…」と伝えた。
おそらく 間違いない。
今日のうちにゆっくり排便誘導すれば きっと出ると判っていても 其の儘にする自分が情けない。。。

母の苦しみの原因が判っていて 対処の方法も判っているのに…付き合ってあげずに 自分の都合で動いてしまっている…全く修行が足りませぬなぁ〜。暑さのせいにする事も出来ません。。。


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