母のタイムスリップ日記
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気持ちは軽やかな春。。。でも身体は 重たい冬だ。 逆に身体は軽やかなのに 気持ちが沈み込む時もある。 こういうギャップが春先に出てしまう。 花芽や新芽が膨らみはじめる季節に始まる。
利用者さんも 似たような状態だったのかも知れない。 「ラップの使い方 見ていてください」と言われた。 いつも 何の気なしに使っているのにどうしたのだろう…と思った。 右手にラップの切れ端を丸めて持ち 左手にはラップの箱。 箱が変わったら 切れなくなったようだ。 昨日 ヘルパーさんに「ラップ」の買い物を頼まれた様子だった。 その時に「どういうラップにしますか?」と聞かれ「普通のラップだけれど他にどんなラップが有るの?」と質問なさったようだ。 「簡単に切れるラップが出来たんですよ」と言われ「それじゃ それに…」という事になったらしい。 所がこのラップが利用者さんにとっては使いにくく 今までどうやって切っていたかを忘れられた様子だった。 ラップの箱には 丁寧に親指の押える場所等が記されていた。 この丁寧さに利用者さんは いつもの事を忘れてしまったのだろう。 利用者さんに説明しながら いつも自分がどうやっていたか…を思い出してみる事となった。もう 毎日の生活にしみこんでしまい 切る事を意識しては居ないのだ。。。
もうひとつは オーブンレンジの使い方。 今まで 何の苦労もなく使えていたのに きっといろんな落ち込みに気が滅入ってしまって自信をなくされていらしたのだろう。 オートのオーブンの使い方を忘れてしまわれていらした。 ゆっくりと使い方を伝えて 更にご自分で操作していただく。 「あ〜 そうだったわ」と思い出された御様子だった。 これだって あまりにも多機能になりすぎているのだ。
小さな親切 大きなお世話…そんな気持ちになってしまった。
また 銀行に行かれて 暗証番号は覚えているけれ数字の入力の仕方を忘れてしまい 往生したとも言われていた。 銀行の人に使い方を教えて貰って 何とかなったけれど…。 入院時等は ご家族にお金を下ろして貰ったし 下ろしてもらう事自体は気にならないらしい。けれど 機械操作を忘れたと言ったら 家族から何を言われるか分ったものでないしね。 今度 分らなくなったら銀行の人に聞くようにするわと言われていた。
こういう感覚 若い人に理解できるだろうか? おそらく ひとつ困った事が起きるとまるで全ての事が出来なくなったように思われてしまう事が苦痛なのだろうと思う。 残っている能力を上手に使って行く努力も実は大切な事なのだろうと感じる。
デイに行かれて 皆さんが 細かい仕事をなさって 自分は出来ない…そのギャップに多少不安も覚えておられる。 でも お仲間がフォローに回ってくれているようである。 自分の失敗を話すと似たような事があってねと話してくれて できない所は上手にカバーしてくださる様子だった。 「普通はね こういう時 家に篭ってしまうようになるのよね。でも みんな上手に励ましてくれるし 出るように心がけないとね…」と前向きに話してくださった。
年を重ねてくると こういった出来事が多くなってくるのだろう事はわかる。なぜなら 利用者さんよりもずっと若い私にも 似たような事が起こりつつ有るから…。 そして 忘れてしまう事を素直に話せなくなる心境も理解できてきた。。。
こうやって 訪問時に いろんな事を学ばせて貰える。。。
肉体と精神のアンバランスな時期。 自然の力を借りながら そしていろんな人と支えあいながら乗り切って行く事になるのだろう。。。
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