母のタイムスリップ日記
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リハの日なので 急いで施設に向かった。 この所10分前に着いて トイレや準備などギリギリになっているので 頑張ってもうひとつ前のバスで出かけた。 ちょっぴり余裕が出来たけれど…母のお茶とデザートのヨーグルトが未だ残っていた。母は ヨーグルトの事等全く気にも留めない様子だったので ヨーグルトの器を一番前に置き換えた。 するとようやく食べ始めた。こうやってどれくらいの時間を過ごしていたのだろう?投薬後の空がご飯茶碗の中にあった。
お布団を軽くはたいて干した。シーツもおねしょシーツも毛布もはたいて風に当てた。 そうしてから 母を居室に誘導しトイレに入った。 オムツは綺麗だった。
その時に療法士さんが見えた。 今日は 療法士さんが「○○さんは 昔どういう方でしたか?」と聞かれた。「かなり神経質な母だった」と言うと「若い頃は?」と聞き返された。 「若い頃は…判りません。でも 若くして父が亡くなり以後は 母1人子1人でかなり我儘だったと母が言っていました」と伝えた。 会話している内に 母は深く寝入ってしまった。 終わって暫くするとパチッと目を開けて「あんた未だ仕事していたの?早く寝なさい」と言った。 療法士さんを見送ってから 支度をして外に出た。 「何処行くの?」と母は言った。 行き先はかかりつけ医なのだけれど 今日は言わない方が良さそうと判断し「何処行こうかね?」と聞き返した。 母はニコニコしていた。バスを乗り継ぎかかりつけ医に到着。 かなりの混雑で驚いた。風邪ひきさんが多そうだ。 母を椅子に座らせて急いで診察券を出して「健康診断」の御願いをしていたら 看護士さんが母の名前を呼んでいた。 ふと見ると開いている診察室のドアの中に入っていたのだった。 いかんいかん 焦って母に待つように言うのを忘れていた。
尿取りの紙コップを貰ってトイレに入ったけれど 診察室と隣り合わせのトイレで「おしっこして」といつものように声掛けするのがためらわれた。 だから 10分ほど経過しても何のためにトイレに居るのか母には理解できていなかった。耳元で「おしっこ」とは言ってみても天井をあははと笑うだけ。これでは遺憾と思い ビル内の別のトイレに移動。 大きな声で「おしっこ採るから出してね」と伝え待ってみた。 母はようやく理解できたけれど「○○(苗字)さんのおしっこは遠いからね」と言う。「大丈夫よ ゆっくり待つから…」と個室に篭った。 しかし 母の顔がだんだん曇り始めた。 始めは 鼻水が出ただけと思ったけれど そうではなかった。 トイレに向き合いコップを持っているのでいたたまれなくなってきたようだった。以前なら「でない」といえたのだ。少なくとも昨年まではそうできた。でも 今は言葉が出ないのである。 私自身「いいよ いつまでも付き合うから…」という気持ちだったのだったのだけれど 母側してみれば「出さなくてはと言う思いと人前で排尿する事」が苦痛に感じたのだろう。 いつもは短時間で終了するからトイレ介助も嫌と言うところまで行かなかった。 母は 両目からポロポロと涙を零し始めた。 「ごめん。悪かったね。ごめんね」と母の下着を上げた。 暫くの間 母は落ち込んで空ろになった。 検査に来たのだから…とこちらも何とかできれば…と思っていたのも事実である。 母の排尿のタイミングは水分接種が微妙に影響する。 診察前に水分摂取させようかと準備はしたのだけれど 血液検査に影響するかも…と躊躇ったのだった。
診察室に娘の同級生がいた。 挨拶を交す。もう3人の子のお母さんである。今日は年長さんの娘さんの通院の様子だった。少し話しこむと母の気持ちも晴れてきたようだった。
順番が来て レントゲン、心電図をとり血液検査をした。身長体重も計った。「尿が出なかった」と伝えると「ゆっくりでいいよ」という事で次回に回してもらう事に。勿論検便も。
診察を終えて家に向かった。 もう1時を回っていた。急いで昼食を取り入浴してもらう。 昨日入浴した形跡はあったけれど…お風呂大好きの母だから…。 洗髪をして身体を洗った。 湯船に浸かると「有難う 気持ちいいよ。さっぱりしたよ」と言う。
そのうちに「私 このごろ怖いの」と言い出す。 話を聞く限り 人も怖いし 何が起きるかと言う怖さも有るようだった。 こういう気持ちは 以前からあったと思う。 ただ 自分の内面を隠す傾向にあった。 だからかなりトンチンカンな行動をしてこちらが振り回されていた。 今の母は 思った事を其の儘伝えるというかなり透明性が高い言動になっている。 ほんとの怖さは その時その場に居てあげないと捉え切れないようになっている。だから「大丈夫 何も怖い事ないからね」という事くらいしか出来ない。。
頭を乾かした後母がニッコリした。 朝「ボサボサでしょ」と言っていたので綺麗にセットしてあげたから。。。 笑顔が戻った所で施設に送っていった。勿論 駅までの道は徒歩で。。。 楽しそうに笑顔で歌を唄いながら。。。
施設に着くともう夕食の時間だった。
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