母のタイムスリップ日記
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2005年01月03日(月) プライド


 母の事を日記に書く時 ちょこっと母のプライバシーを犯していると感じる時がある。でも これが 介護のヒントになればと自分の反省も含めて書き記している。
今日の日記は特にそう感じる。。。

昨夜から今朝までは穏やかに眠っていた。
深夜の排尿も無事トイレでできた。

朝の洗面もちゃんとできた。
朝食も家族全員で揃って食べる事が出来た。

昨夜 夫が母の作品(塗り絵や書初めや折紙)をみて「此処まで出来るんだからたいしたものだね」と周囲の先立った方たちと比較しながらしみじみと話していた。
元気な頃と比べれば 相当に能力が落ちてはいるのだが…それでも尚プラスに見えるようである。
4泊5日の間 久しぶりに母を近くでみて感じたようである。

食後は 今日も布巾を洗ってもらった。
少しの食器も洗ってもらう。
割りに落ち着いているので 洗濯をしたりしながら母の様子を見守った。
洗濯後に母の頭を洗髪。
夜の入浴の時は 体のみ洗って温まってもらうようにしているので、日の有る時に髪を洗うのである。
その後 料理の本を渡すと声を出して読んでいた。
母のオムツをひとつに纏めるためにそばを離れて戻ったら 窓から入るお日様を浴びながら椅子でコックリコックリしていた。

ゆっくりとキッチンでお昼の支度を始める。
小さなクワイを素揚げにして それから金平ゴボウを作る。
出来た物を順にテーブルに並べる。母は、それを小皿にとってつまんでいる。傍らで娘が卸し餅の大根をすっている。
そんな平和な光景だった。
食事も滑り出しは良かった。
が 朝から立ったりする度にガスが出ていた。トイレに立つ度にチェックはしていたが 何の予兆もなかった。昨日 しっかり排泄できているから大丈夫だろうとも思っていた。
食事前 ちょっと臭ったようなような気がしたのだが…ガスのせいだろうと思っていた。

食事が急にのろくなり「食べられる?」と聞くと「うん 食べる」というので様子を見ていたが やはり無理なような気がしたのでほんの少しキンピラが一口分くらいは残して切り上げて貰った。
テーブルを片付けて「トイレに行こうね」と誘導して「ひょっとしたら…」と思って排泄の処理の準備をしようとトイレに母を置いて離れた。
ほんの1.2分の事である。
戻ってみると…ドアの前に手を汚して何処に触れようかと右往左往している母がいた。「あ〜やってしまった」
母も私の驚く姿に驚いてしまい萎縮状態。其処に娘がぬれたぼろ布をレンジで温めて持ってきてくれ やっぱり驚く。母は更に萎縮。

急いで洗面所に行き 手をしっかり洗ってもらう。
「これは何?」と合点が行かぬ母。本当に短い時間なのだけれど フイルムがコマ送りされるような雰囲気。。。
其処へパタパタしている雰囲気に夫も「何かな?」と出てくる。。。
母をトイレに入れようとした時だったが…母は更に落ち込む。

トイレでの処理もかなり難航した。下着を全て下ろしたので母は寒がった。
気持ちが萎縮しているのに寒いと…落ち込み方も激しかっただろう。
「分らない」を連発。
排泄もきちんと終わっていないので 幾度もお尻をお湯で流した。
その辺りから「自分で拭くからいい!」と怒り始める。
でも 母1人でこれの処理など出来ない。
母を納得させようと「ホラ まだ汚れているから…お尻が荒れてきたら痛くなるのよ」というと「痛くなってもいい。自分でやる」の一点張り。
完全に母のプライドを傷つけてしまった。
それでも放置も出来ずに「ごめんね。私が悪かったね。。。」と謝り続けて何とかきれいにして軟膏を塗布。これも更に母を傷つけてしまったようである。いつもなら 何事もなく過ぎていく場面なのに…。
食事前に感じた時 直ぐトイレに連れ出せば…と悔やまれるばかりである。
あの時 トイレに行って10分も経過してなかったからなぁ〜。

あまりに機嫌が悪いので熱でも有るかなと検温。
これも悪かった。早く分った方が良いと思い耳で検温した。
「耳が痛くなる」と両耳を塞いだ。「これは 検温計で痛くないよ」といってももう絶対に耳に入っていかない。「私 もう家に帰りますから…」と大きな声を出す。
帰る時間も迫ってきていて…でも此の儘帰せば私も母もあまりに辛い。

近くを散歩に出て気分を紛らせようとした。
ちょっとは気持ちも落ち着き 車に乗って施設に向かう。
が 母はだんだん沈み込んでいく。

施設に着いても押し黙った儘。。。
娘もとりなしてくれて 少し気が紛れ始めるが…。

トイレに行き 再度お尻を点検。
やはり まだ 少し落ち着かない様子であった。

其処に施設長が「どうでしたか?」と来てくれた。
母は一度差し伸べられた手を振り払った。
家での様子や書初めを見ていただいた。
「あら しっかりかけてますね」とも言ってくれた。
施設長は 懲りずに母の気持ちに寄り添うように本を持ってきて「読んで頂戴」と頼んでいた。母がゆっくりと本を読み始めた。

それから そうっと帰り支度をして施設を後にした。

母は一連の事を繋がって記憶しては居ないだろう。でも まだ嫌な思いをした事は覚えているだろう。
「夜は思い出して 少し大変かなぁ〜」と言っていた。

はて 母を家に呼んでお正月を過ごさせた事は不味かったかな?
母は どんな気持ちでいるだろう…。


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