母のタイムスリップ日記
DiaryINDEX|past|will
「はぁ〜 やっとバトンタッチできるわぁ〜」これが利用者さんの第一声だった。おそらく 朝食の片付けを済ませたところだったのだろう。。。 今日は 家具の拭き掃除である。 埃やカビや土等は利用者さんの病によくないので有る。 利用者さん自身も できる範囲の中でお掃除はなさっている。
埃の付きにくい薬品も準備なさっているので拭き掃除のあと更にそれで拭くのである。
我が家の埃は 片目を瞑って見ないふりなのだが…。
作業をしていると私の5本指の靴下が目に付いた様子だった。 「娘が買ってくれたものです」というと「いいわね。娘さんは傍に置いてた方が良いわよ」と言われた。 「ん〜でも 娘には娘の生き方が有るでしょうから…私が決めることでもないでしょう」と言うと「そうねぇ〜」と言われた。 利用者さんは 2人のお嬢さんをお嫁に出して 老い先の計画はご夫婦2人と決めておられる事は薄々感じてはいた。 詳しいお話はお聞きしてない。 でも今日は そこまで踏み込んでお話なさった。 ひとつの山を越えられたよう…とも話されていた。 「私より ずっと素晴らしい」と褒められていらした。 ご自分は そういう苦労無しに来たから…とも。 悲壮感を漂わせてのお話でなく さっぱりとした話し振りだったので清々しい感じがした。 出来る事なら 利用者さんのように成れればいいなと思った。
活動を終えて家に戻り 大急ぎでめだかのお家のお掃除をした。 暖かな日に 今年最後の大掃除…。 ちと大袈裟。。。たかが瓶なのだが…。
その後 母の所に出向いた。 母は お手玉を手にしていた。 1人でお手玉を始めていた。 きっと 少し前まで職員の見守りの中でお手玉を楽しんでいたのだろう。
暖かな日の有るうちに…散歩に出た。 足取りは軽い。左右の揺れも今日はそれほどでもない。 今まで腕を組んでのお散歩だったが 平らな所では出来る限りひとり歩行をして貰っている。 意識しながら歩いた方が良いような気がし始めている。 「足上げてね」と言うと膝を高めに上げて歩き始めた。それだけで姿勢も正していた。 「家に帰りたい」と言うので「お家には誰がいるの?」と聞くと「おかちゃん」「早く帰りたいの?」と聞くと「うん でも こっちのおかちゃんも…居ないと困るし…」 母なりに何かを感じているのだろう。。。
「何か食べたい?」と聞くと「何にもいらない…」と言う。 それでもファミレスに入るとケーキを食べていた。 でもだんだん雲行きが怪しくなった。 机に突っ伏すのである。「腹痛だな?」と直感。 散歩でお腹が刺激されたのだろう。でも未だトイレに行くほどでなさそうだったので様子を見ながら歩いて施設に戻った。 トイレに誘導し頑張ってもらったら しっかり出せた。 良かった。 いきむ事すら忘れかけているのでいきんだ瞬間は褒めてあげる事にしている。数回褒めているとこちらの意図を汲めるようになってくる。
これを放置するとオムツに出してしまう。 出来る限り排泄は トイレでしてもらいたい…。 それは私のためでなく 母自身悲しい思いをしないで欲しいと思うからである。いくら排泄の意志を伝えられなくとも 汚してしまったという事は母にも判るからである。 たとえその哀しさが瞬間だったとしても…。 排泄が済んだ時「良かったね ホラ 後ろ向いてごらん」と言うと母は「随分出たんだね」と言った。それで良いのだ。 私が役に立てる事なんて それくらいしかないのだから…。
介護仲間(お義母様の介護)がよく言ううけれど…。 「排泄は夫でも家族でも駄目なの。タイミングをつかめないのよね」 そういう事で有る。 何事もタイミングがある。それをうまくつかめないと上手に排泄誘導は出来ないように感じる。 いや 排泄だけでないのかも知れない。
介護は 気持ちも大切だが 間合い 頃合を掴む事も必要だと最近つくづくと感じる。うまく行くとグダグダとした思いがさっと消えていく醍醐味もある。
|