母のタイムスリップ日記
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母は ソファーに座ってシールの絵本を見ていた。 私が行く前まで お店屋さんの野菜やら玩具のシールを店頭に貼り付けていたらしい。割りに穏やかだった。 でも何となく臭う…。
居室に入って 洗面から始めた。 顔は洗えた。「歯を磨いて」と歯ブラシを渡すとやおら歯ブラシで腕を磨きだした。「ちょっと待って」とブラシを預かり「歯を磨くのよ」と言っても通じていない風。腕に付いた歯磨き粉を石鹸のように使って腕洗いしていた。再度 歯ブラシを渡した。今度は口の近くまで持って行き「歯を磨きましょう」と言うと今度はちゃんと磨きだした。コップに水を汲んでクチュクチュペッも出来た。 直ぐトイレに誘導。 「何だか臭いね」とトイレに座ると言った。 少し便も付着しているけれど…それは拭き取ってあった。 臀部を見ると 赤くなっていた。こういう事は 今までなかった。 長時間 放置で座っていた可能性大。。。 おまけに陰部の方も「痒い 痒くない」と言う。 こういう時は 決まって痒いので有る。
自分で臭いと気が付く事はいい事だ。 そしてかゆみも言える。 怒りっぽくもないし 哀しそうでもない。 問題は 何故臭いか何故痒いか が言えない事だ。病だから仕方ないか…。
尿漏れパット トレーニングパンツ 下着を取りに母の傍を離れた時 母は、口の中からトイレの床に水を吐き出した。 「しまった」と思った。 歯磨きの後 未だ口に水を含んでいたのだった。 いつもならちゃんと見るのに…忘れていた。。。 「あれれ…」と言うと母も吐き出すのをやめた。残りは便器の中に出してもらった。
その後 お尻をタオルで幾度も拭いて 薬を塗布した。 「有難う」と母は言った。 困った事は言えないけれど 処置すればありがたいと思えるのだなぁ〜。
今日の二つの行動は こちらの配慮が足りなかった。 やっぱり どうしても出来る事が前提になってしまって ついつい 忘れてしまうのである。 幸い 母も落ち込まないので助かる。
着替えが終わると「気持ちいいよ」と言った。 今日は比較的 温かいのに…暖房が弱く入っていて 母は暑かったようである。着替えが済むと もう臭わなくなっていた。良かった。
母は 時折 言葉を理解できなくなってしまう。耳が遠いせいも有るけれど明らかに聞こえていても理解できなくなる。いつもそうとは限らないから…事は面倒である。職員だってスルーしてしまうだろう。。。 話を理解できないだけでなく 困った時に伝えるという事も出来なくなっている。でも「有難う」が言えたり ちゃんと言える時も有るから これもややこしい。 じゃ 私は何処で感じ取れるのか…やはり母のリアクションを見ていると見えてくるような気がする。 仕事に追われていると そういった個々のリアクションがどうしても見えなくなりがちのような気がしてならない。
今日のおやつは 畑の収穫物をみんなで調理したもの。 立っていられない人は参加できなかったけれど…ワイワイと騒ぐ声やにおいは届いていた筈である。 みんな綺麗に食べていたのでほっとした。 買い物に出ていた職員が戻ってきた。 百均で和風のテイストを買って来ていた。 これは 上りダンス 屏風 火鉢 背負子 囲炉裏 等その昔風なものをミニチュアで作った物だ。(但し これの値段は210円である。手のひらサイズと言うのかな?) 大分前から これは気が付いていて 母にも買ってみようかな…と思案していた。箱庭のセットだって有る。
癒しの小道具になる筈と思っていた。 気が付いた時「この箪笥は 引き出しも開くのですか?」と聞いたら 暫く考えて包みを開けて「開きますね」と店員さんが対応してくれていた。
ただ 置き場所を何処にしようか決めかねていたのだった。 職員が買い求めてくれたなら もう買う必要もなさそうである。
実は私も百均で買った物を持って来ていた。 それは シャボン玉。 手でも触れるシャボン玉である。糊が強く入っているのだろう…。 頭に付いたシャボン玉は容易に消えない。 まるで髪飾りでも付けた様な雰囲気になる。 これで 入所者と少し遊べると思って持って行った。 始め入所者と遊んだが百均の品物が並んだ時「これも 百均」と見せた。 職員は これも驚きだったようで キャキャッと遊んでいた。 帰りしなに「これお返しします」と言われた。 いや「みんなで遊んで貰おうと思って買ってきたのだから…使ってください」と差し上げた。
テレビの前に母を座らせて 夕食前に施設を後にした。
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