母のタイムスリップ日記
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2004年08月22日(日) 無言の教え


昨日 母と散歩している時 赤い車が止まっているのを見た母が「あれに乗ってきたの?」と聞いてきた。
「あ〜娘のハピスケを思っているんだな」と判った。
「バスに乗ってきたのよ。○○は今朝 九州に遊びに出かけたよ」と言うと「いいなぁ〜」と母が言った。
「行きたい?」と聞いてみた。
「だって お金ないもの…」としょんぼりの母。
「大丈夫よ、心配要らないよ」と言うと 母の顔が綻んだ。

母は 九州と言う場所が離れている事理解できている。仕事している時に母は、九州にも研修に出かけている筈である。私がプランを立ててあげたから間違いない。
そういった記憶があるのかないのか…。でも「旅に出たい」と言う気持ちはあるんだな。

オムツを準備しての旅は…としり込みしてしまっているけれど…。やっぱり何処かに出かけよう。
もう少し涼しくなったら…。

旅行してみても 何処も同じ所に感じるかも知れない。家に来た時だって故郷の自分の家と思ってしまうのだもの…。
記憶に残る事もない。でも 瞬間楽しいと感じられればいいかぁ〜。

9月には GHの入所者Sさんご家族と ぶどう狩りに出かける予定である。
義姉に聞いたらOKだった。
日帰りのコースだけれど…。これが 足慣らしになるかなぁ〜。

散歩の話に戻る。
「あの車に乗るの?」「止まってくれないねぇ〜」としきりに車を気にしている。きっと 足がかなり痛むのだろう。。。腰だって痛いのだろう。。。
母は「足が痛い」とあまり強くいわない。
でも痛みは感じている。足の指先に触れるとかなり痛がる。腰だってキュッと押すと痛がる。浮腫みもかなりのものだ。

先日もリハの時腰の骨潰れていますねぇ〜と。
医師も以前からそう言っている。

療法士さんも医師も「年齢になれば良くある事」と言い 行動制限は受けていない。どちらも動く事が大切だから…現状維持…と言っている。

足の痛みと疲れとを母の言葉と動きで観察し こちらが限界を判断する。
この所 母の歩く頑張りに脱帽すばかりである。
もっとも 景色等に気が向くので気分転換にもなっているようだけれど…。

病の初期の頃 道端に立ち止まってストライキが始まり 梃子でも動かなくて閉口したこと等嘘みたいだ。
「この暑いのに(冬は寒いのに)誰のために無理していると思うの?」と言った調子でかなりヒステリックになる時があった。
母も私の言葉に反発して更にエスカレート。。。
こんな場面が多かったのに…。

何故変わってきたんだろう…と考えてみると。。。
デイの職員の方が「頑張って居られますねぇ〜」と励ましてくださり 知り合いも「偉いですねぇ〜」と繰り返し声をかけてくださったからだろうと思う。それが母の頭のどこかに記憶されているのだろうと思う。
雨の日は傘を差して…。風が吹いても。。。

私が頑張ったから…と心の隅で思った事もあった。
でも これは母の頑張りだろう。
「年を取っても 呆けても 人は死ぬまで生き方を教えると言う役目を背負っているのだから…」と偉そうに説教した時期がある。
母は悲しそうに。。。でも「そうだね」と言った。

私は今 その母に学ばせて貰っている。痴呆の症状も強くなってしまったけれど…頑張りやを見せてくれている。
「あなたは 母のように頑張れるの?」と言うもう1人の自分が後ろから声をかけてくる。自信はない。。でも きっと母を思い出して頑張ろうと今は思っている。
無言の教え…これが一番心に響く。。。







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