母のタイムスリップ日記
DiaryINDEXpastwill


2004年05月07日(金) 介護する者、される者

 利用者さん訪問。
利用者さんのご家族の周囲がにわかに病人が増えてきたらしい。
この連休は、2人の息子さんがちょこっと寄って下さって 直ぐ帰られたという事だった。寂しそうな表情はなく「1年に2度も脳梗塞起こして ここまで元気になれたのだから…私は恵まれている」としきりに今を感謝なさって居られた。
ご家族が見えなくて、デイもお休み。訪問もお休み。そんな連休だったので話し相手が無かったせいもあるのだろう…今日は「散歩よりお話」を選ばれた。1時間 利用者さんが作られた「サーモンのマリネ」を戴きながらお話を伺った。ほんとは、ご馳走になってはいけないのだけれど…折角作ってくださったのだから…戴く事にした。

この鮭のマリネの作り方を教えて頂いた。
鮭、振り塩。りんごに砂糖をまぶして酸化止め。塩ではない所がミソかも知れない。玉葱の薄切りを水に晒す。これらを、たっぷりのりんご酢で和えるとの事だった。青味で貝割れが入っていたが これは 他の香草でも良いだろう。
鮭の生臭身は 少なかった。

利用者さんのお話は 2度目の脳梗塞の時の話が主だった。
入院した折、文字も読めず書けもしない、カレンダーを見ても 日にちすらわからない…。「何が起きているのか…自分はどうなるのか…」ととても不安になった。それなのに 家族は「今日は 何日?」「やっぱり言えない」「さっき言ったでしょ」とかわるがわる言われて…「いい加減にして…」ととても悔しかったし辛かった。「何で いやな事ばかり言うのだろう」と落ち込んだそうである。
「今、冷静に考えれば 不安で感情が大揺れしていたので まともに話を聞くことが出来なかったのねぇ〜」と言われていた。「家族の思いも 元気になった今は 多少はわかるのよ。」とも。

話を伺いながら、不覚にも涙を零してしまった。利用者さんの思いと 母の思いが重なってしまったのだった。

利用者さんは そういいながらも…。
先日「『杖を付くように…』と息子さんから言われて仕方なし使ったけれど これが思いもかけず良くて…」と言われたので「息子さんに 杖を使ったら具合が良かったとお伝えなさったら喜ばれるでしょう」とアドバイスしたら「とんでもない。そんな事言ったら 『ほら 見たことか』って言われて更にいろいろ言われるのがオチだから…都合が悪くなるような事は言わないの」と笑っておられた。

親には 親としてのプライドがある。看て貰う立場になっても それはしっかり残っているものだと改めて知った。

自分に置き換えてみても 同じだろうなぁ〜。
一人で出来なくなるって…ほんとに辛い事なんだろう。

母との間でも 似たようなことを繰り返した。
時に素直な心の内を吐露したり、不安を口にしたり、剥きになって反論したり、怒ったり…。実にいろいろの場面があった。
母の心は いつも同じではなかった。
勿論、私の心も同様だった。疲労感が溜まってしまうと かなり辛らつな事も言った。
説得には 拒否感が多かったので 避けていたけれど…それとなしの話も「何を言おうとしているか」を母自身が探っていた。
「あなたは、私を傷つけないように 言ってくれるのねぇ〜有難う」なんていわれると見透かされた心の内を感じ取られた事にドキッとした事も幾度も有った。
「親子だから…ねぇ〜。あとくされが無いから…」と言う言葉に幾度救われたか…。

子供だから許してもらえる役得があったのも間違いない。けれど、子供だから逃れられない事も有った。
「痴呆とは、本人も家族も 苦しむ事が多いなぁ〜」と今日は つくづくと感じた。







はな |MAILHomePage

My追加