母のタイムスリップ日記
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| 2004年03月31日(水) |
「そんなに年取ってない!」だって |
朝一番に「やったぁ〜 お天気だっち〜 …」と米寿のお祝いファクシミリが届いた。母に会いに来ると言う合図だ。 友人は、私よりずっと若い。弟たちより若い。 でも、体力は 母と同等かそれよりないと思う。歩行のペースは母より劣るのである。 そんな友人が、電車に揺られて1時間半かけてやってきてくれた。 一人で来ると言っていたけれど一番下の双子ちゃんをお供に来てくれた。 待ち合わせの場所に出向くと母のために大きな花束を準備していてくれた。
昨夜、夫に「友人が来るかも…」と話したら「誰かさんたちに爪の垢でも飲ませてあげたらぁ〜」とご尤もな一言を頂戴した。 あちらは、今日も音なしの構えである。
友人たちと施設に向かった。 花束は米寿を迎える二人に 友人からのプレゼントという事にして頂いた。
「ねぇ〜。今日が88歳のお誕生日よ。おめでとう」と母に声をかけると 「私はそんなに年を取ってないよ」とご機嫌斜めである。 折角のお祝いもこんな調子なので…少し困った。 でも、仕方ない。 『いつもニコニコばかりも出来ないものね。其の儘で良いんだよ。 米寿を迎えられた…という事は、ある意味では 私の喜びでもあるんだか ら…』と心で母に声援を送る。
母は、職員に着物を着付けて戴いた。 昨年は 座って記念写真を撮るとき右に右に倒れこんで背中も丸かった。 でも今年はしゃんとしていて別人である。 職員の一人も昨年の様子を思い出されたようで「今年はシャンとして良いですねぇ」と言ってくださった。
大きなテーブルに果物とお茶とケーキが並んだ。 家族や友人の分まで準備してくださった。それなら、職員の方もご一緒してくだされば良いのに…と思うのだが そうは行かないのかな?
入所者のご家族が手品をしてくださった。 入所以来、会があるごとに見せてくださる。最初の内は見向きもしなかった入所者の人たちもだんだん見入って来るようになった。 ボランティアして下さるご家族は「ここで随分腕を磨かせてもらいましたよ」と言われていた。今では、町のあちこちから声が掛かるとも話されていらした。 友人は、手品の間しきりに驚きの声を上げてくれて場を盛り上げてくれた。 こういう事も皆が集中する秘訣かも知れない。勉強になりました。 お供の双子ちゃんも参加してくれて更に場が盛り上がった。
友人は、入所者の一人一人に話しかけて肩をもんであげたりと大ハッスル。 「疲れるのにぃ〜」と思うけれど折角の好意に水もさせず、お疲れのないように…と祈るばかりだった。 母の着替えの間も親子して動き回っていた。
久々にご家族と顔を合わせて、それぞれの胸の内をお聞きした。 と言うのも 昨年の今頃は 母の急変に心配していた利用者さんも 今では 母より状態が良くないのである。 入所時は 母が痴呆度としては一番悪かったように思えたけれど 今の母の 元気度は 良い方だろう。 歩く事にかけては、一番良いかも知れないのである。
ご家族は、だんだん元気をなくしつつある事を感じて心配しているのである。それに加え、ご自身の健康不安も…。 ご家族は 寂しい顔をしながらそれぞれ覚悟を決めて居られると感じた。
ここでも、介護する家族の悩みを耳にした。 家族関係である。 協力しない家族の存在の悩ましさである。 利用者のご家族は もうこの世にはなくご兄弟が看られているけれど、嫁に出た妹さんのご主人が関っていらっしゃるのである。 「他にも兄弟がいるのですよ…」と言う話に胸が痛んだ。 施設に託しても 尚 家族には様々な悩みが付いて回る。 介護を受け止めた家族の葛藤がずしりと重たく感じた。
最近富に思う事がある。 介護とは、受け止められる人を選んでいるのではないかと感じるのである。 選ばれているとでも言うのだろうか。 受け止められない人は選ばれない。
ひたすらマイペースの私だけれど…それでも良いでしょうかね。お母さん。 選ばれたと言っても、頑張る事もしないこんな私だけれど…良いのでしょうかね。これからも、楽しみ探して生きて行きたいですねぇ〜。
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