母のタイムスリップ日記
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「何をして過ごして貰おうかなぁ〜」と思って「本を読む?」と聞いてみた。すると、母はとても悲しそうな顔をして「あのね 読めなくなって…嫌なんだ」と言った。 そういえば、このごろ 行く度に本を手にしているし…私だって読ませている」母が食いついて声に出して本を読んでいるのを確認してから本を渡していたのだけれど…。見えてないところでは…判らないなぁ〜。
折り紙だって、編み物だって人が傍にいてくれれば出来るけれど…。 施設ではそうは行かないんだなぁ〜。 一人で取り組むってこの病では とても難しいだろう。 同じフロアの人に手仕事の好きな人いないなぁ〜。時に一緒に出来ると嬉しそうな顔しているけれど…殆ど一人だものね。
母の手仕事をみて「おかしいでしょ」と言う人はいるけれど…やらないものね。施設の難しさだなぁ〜。言ってる方も病だろうし…。
母がデイに行って居る時に今の母と同じくらいの人がいた。 でも目の前で「おかしい」とは言わなかったし、その辺は施設側も充分配慮して作業のテーブルを組んでいたなぁ〜。 家に帰ってから「おかしい人がいるんだよ」と報告した時だって「出来ないけど頑張って楽しめるって偉いねぇ〜」と言うと母も納得していたなぁ〜。
昨日、今日と母に絵を描いて貰った。 描き始めは やる気満々で始める。とても楽しそうで集中度も高い。 大体の目測をして印をいれて良いスタートを切る。 でもその内 描いている物の先に見える他のものに視点が移ってしまうようである。目に入ったものも加えて同じ絵に書き込むので描いている物がぼやけてくる。母自身 視点が移ってしまった事には全く気が付かない。 その内に「おかしい」「思うように描けない」という事に気が付き「嫌になったぁ〜」と言う。 そこで、お絵かきは終了である。 描き始めて30分くらいかなぁ〜。 他のものが目に入らない環境を作れば出来るのだろうか?
こんな風に思うように出来なくなっている事は理解出来てしまうのだねぇ〜。こういう事が悔しいのかな?
今日もお花見を兼ねながら良く歩いた。 公園で一休みしていると「あー綺麗だなぁ〜。いいなぁ〜」と言うのでその先をみると通るようなうす緑の葉が広がった柳の枝が風にそよいでいた。 かすみがかった青空がバックだった。 逆らわずに揺れる柳を見ていると心和んだ。 母は、疲れたのかベンチに横になって休んだ。 心地よいかも知れないけれど…まだ寒いので疲れが取れるくらいで起きてもらう。
いろいろと苦悩する事もあるけれど…自然の景色に心打たれる事もあるのだし…差し引きけば…苦悩は消えてくれるのではないかなぁ〜。
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