母のタイムスリップ日記
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2004年03月27日(土) 母と共にキッチン

 母が我が家にお泊りである。
施設で「悔しい」と呟く声を聞いた。
「どうしたの?」と顔を覗き込むと「悔しい事なんてないよ」と言う返事だった。「悔しい」と言った事は記憶にあるようで 心の内を隠すような返事が気になった。
でも、母には具体的な事を説明できる状況ではない。
もしかしたら 単に悔しい場面を想像しただけなのかも知れないけれど…。

リハを受けた後 腹痛の訴えがありトイレで踏ん張ったけれどいきむ事を忘れてしまっていて いくら「いきんで」とお腹を押さえ込んでも出来なかった。諦めてトイレを出た。
それでも腹痛の訴えは10秒毎に続いた。お腹を撫でるとガスがゴロゴロと音がした。溜まっているんだなぁ〜。少し歩いてみようかと時計を見ると夕食の時間ギリギリである。
暫く考えて施設に「今日は、こちらに泊まります」と連絡を入れた。

それから 支度して駅前に買い物に出かけた。歩き出すとガスの抜ける音がした。これならきっと少しずつ収まっていくだろうと想像できた。
母の足取りは軽く休息なしだった。
途中桜を見上げたりしてお花見を楽しんだ。
帰路も歩こうかと思ったけれど あまり無理をしない事にしてバスを利用。
バスの中でまたしきりに「おかちゃん」が始まった。
周囲に聞こえて「何だろう?」と言う視線を感じた。
調子良くないかなと思いながら母の様子を見ていたが目を合わせるとニコッとするので単に不安なのだろうと思った。

家に戻って用を済ませる事が出来ほっとした。

夕食の支度は、母と共にした。
ほうれん草なら洗えるだろうと頼んだ。
すると母は、根の部分を手でちぎり始めた。「洗ってね」と数回繰り返したらようやく本来の洗いを始めた。
暫く作業していないとやはり忘れてしまうようである。
さすがに身体が覚えているのだろう やっているうちにちゃんとできるようになるものだなぁ〜。

ついでに大根もおろして貰った。剥いてある大根とおろし金を渡すと大根を水で洗い始めてしまった。
ほうれん草を洗ったあとなので切り替えられないようである。
こういう事は、最近良くある。タオルを洗った後で「鼻をかんでね」とティッシュを渡すとそれも洗ってしまう事だってある。
大根を少し擦りおろした後 母にバトンタッチしたら 最後まできちんと擦りおろした。おまけにおろし金を綺麗に洗うという事も出来た。

その後茹で上がったほうれん草を水から取り出して切るという事をやって貰った。初めに数本のほうれん草を取り出して母に渡して続きをして貰った。
指示しないのにちゃんと水分を適度に絞ると言う動作も出来ていたし包丁で食べやすい長さに切る事も出来た。

こうやって居ると言葉が だんだん増えてくるのがわかる。
自分の身体を動かしているうちに思い出すのだろうか…。
「腰が痛いよ」と言うのでキッチンに椅子を持ち込み休憩して貰った。
「有難うね。こき使ってしまってごめんね」というと「いえいえ」との返事だった。

夕食はかど(生の鰊)焼き尾頭付きとほうれん草のおろし和えとひじきの煮つけとキャベツとあげの味噌汁となすの漬物。ご飯は赤米と炊いた赤飯風。私と同量のものをぺろりと平らげた。
最後にひじきを食べるときは中の大豆を箸でつまんで食べていた。
これだけ上手に箸を使えるんだと感心した。

食後 洗濯物を畳んでもらった。

後片付けも全て洗い終えた物を洗ってもらった。
水切りに移す事が出来なかった。
でも最後に台布巾できっちり水周りを拭いて台布巾も洗えた。

ゆっくりくつろいで10時過ぎに入浴。
それから大あくびをして就寝だ。
1時くらいに最終トイレに起こせば大丈夫だろう…。
30分ごとに様子を見ているけれど動く気配もないほどぐっすり眠っている。


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