母のタイムスリップ日記
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朝5時前に起きて夫を送り出した。 何だか2度寝をするのもはばかれて…片付けをした。 洗濯機を回して…取り置きして貰った新聞3日分に目を通した。
留守がちだったので、久々に友人に電話した。 今日なら家族がいて電話の取次ぎをしてくれるだろうと思ったからである。 病の為 電話のベル音すら耳には届かない。
久々に話した。こちらは友人の具合が気になるし…メールより声が聞きたくなってしまう。友人も母の事で忙しくしているだろうと遠慮する…メールシステムが好きでない友人でもある。 ご無沙汰を詫びると「電話が嬉しい」と手放しで喜んでくれた。 「母の事より、弟たちの事で忙しさでね」と愚痴を零すとこれまでの経過を知っているので「えっ」と驚かれた。 世の中には似たような話があるから自分だけが不幸と思って居る訳でない。 友人の知り合いにも同じような事が起こって その方は心労の為体をこわされたそうである。「あんたも気をつけてね」と言われた。 「あはははぁ〜。仕方ないんだよね。なるようにしかならないもの…」と笑っていると「あんたって人は全く…」と呆れられた。 友人は、娘さんがアッシー君になって近々家まで来てくれる計画が有ると言っていた。自分の体だって大変なのに…そのあったかさが嬉しかった。 お互いかを観るだけ、声を聞くだけでホッと出来てしまう。 暫くは それを楽しみに過ごそうと思う。
母は、ホールのソファーで指人形で遊んで貰っていた。 洗髪したのだろうシャンプーの香りがした。 着替えて外に出た。「何処行きたい?」と聞くと考え込んでいるのが判った。でも目の前の看板の文字に興味を示して聞かれていた事を忘れてしまう。何回か繰り返したけれど同じ反応だったので今日は町には行かない事にした。2停留所程先のスーパーまで歩いた。疲れはなく強風にもめげずに元気いっぱい歩いた。 梅の花の固有名詞は出なかったけれど…はっぱすらないアジサイの木はちゃんと「アジサイ」と言った。相変わらず不思議な感覚である。 スーパーの店先でおやつにとお菓子を篭に入れようとしたら「もっと良く観てから…」と言われた。 面会をサボった後ろめたさで気持ちが上滑りしがちな自分を恥じた。 ゆっくりとお店を回っておやつを買って休憩所で小休止した。
「お腹が空いた?」と聞くと「前の方が少しね」と言う。「へぇ〜。じゃ後ろは?」と冗談ぽく聞くと真面目に「後ろはそれほどでないよ」と。
帰路は川べりをゆっくりと後ろ向きになってみたり 前を向いてみたりしながら歩いた。 公園で親子ずれがサッカーをしていた。 必死でボールを追う親子の姿を見ていたら「良いねぇ〜」と母が言った。 やはりガップりと向き合っている姿には心打たれる。 高齢者だって親子だって真に向き合えてもらえば伝わる物である。 母の感じ取る力はますます研ぎ澄まされていくのかなぁ〜。
空に黒い雲が出てきたので施設に戻った。
散歩でもたっぷりと水分補給したのだけれど施設に戻ってからもペットボトルのお茶を離さなかった。全て飲み干して満足げな様子となった。
今にも降り出しそうな気配となり、急ぎ施設を後にした。 変わりなくて良かった。
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