母のタイムスリップ日記
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いつも、いつも「不思議…」って思うのであるが…。 痴呆とは、忘れるだけの病と思いきや 新規に覚える力も残っている。 著しいのが、人の顔 続くのが風景である。 母の場合 だけだろうか? 昨日も作業療法士さんに「久しぶりですね」と挨拶していた。正確には 1週間づつ会っているのだけれど、顔を覚えているのである。 それも、顔を見るとちゃんと横になる。 名前とかは覚えて無いしどういう仕事の人か…なんて言葉ではいえないけれど…でもぼんやりとした記憶の中で理解できているのだろう…。
そういえば、自動車の名前なんて 興味も無かっただろうに…と思うのに、先日 母にしてやられた事があった。 トイレで排尿を誘導している時「しぼってぇ〜。しぼれぇ〜」と声をかけた。その時「車?」と笑い返されたのである。 もう、びっくり仰天だった(笑) 母の記憶の構造ってどうなってんだぁ〜。
食事等の時も感じる。 家で食事する時 並べられた物を「おいしそう」はいつもの事である。 例え残り物であっても…。先日は、海老天の残りだってそうだった。 家で揚げたものでそれも前の晩なので「しなっ」としていたのに…。 やっぱり 母は「おいしそう」と言った。 外食だって そう言う。 でも見ていると、施設の時は あまり言わない。 彩り等家よりずっと綺麗なのに…。 母の中で何が基準となっているのだろうか? まさか、私にゴマをすっている訳でも無いだろうねぇ〜。そうなのかな? もっとも、施設の食事時って話し声が無い…だから 黙って食べるもの…という条件反射なのだろうか? 施設外だとお茶を飲む時だって「おいしい」って言うし水を飲んでもおいしいって言うんだなぁ〜。ほんとに不思議だ。
今日も母の所に足を運んだ。 昨日、少し長めに歩いたので 足が浮腫まないか…と気になったからである。でも大丈夫だった。 ただ、大量の排便があり腹痛を訴えている…と言っていた。 私が後ろに立っていても 全く気が付かない。後ろから頭や首を撫でると笑っていた。近くに職員の方がいて…話をしていたのだが…。 今日は、ちっとも笑わなくて…という傍から 笑顔が出てきたのでホッとなさっているようだった。
昨日よりずっと暖かいのでまた外に出た。今日は、休息を入れながら3キロ以上を歩いた。足取りも軽い。急ぎ足でも付いてくる。でも かなり息切れをしている。「苦しくないの?」と聞いても「大丈夫」との返事だった。
途中 子供達がブランコに乗っていた。 近くまで行くと子供たちは 飽きてしまったのかブランコから離れた。 「ブランコだねぇ」と母が言うので前まで行って「乗ってみる?」と聞いた。座るのは危ういので座るまでは手伝った。 その後 どうするかな?と見ていると お腹で漕ぎ出した。 お腹でという状態理解して頂けるだろうか? お腹を前に後ろに動かして体重移動させるのである。 少しずつ ブランコは揺れだした。後ろから押してみると嫌そうだったので母の好きなように…と見守った。 「あんたも乗りなさい」と私に譲ろうとしたので隣のブランコに乗って二人でブランコ遊びをした。 青空の下 年老いた母と中途半端に老いている私と二人で漕ぐブランコ。 なんか変だけれど…「いいかぁ〜」(笑)
こんな年になってから 母とブランコで遊ぶなんて考えもしなかった。 あ〜何年ぶりだろう…。記憶にあるのは…8年位前に近くの公園で乗ったかな?あの時は 少しでも気持ちが落ち着いてくれれば…と思っての事だっただろう。内心イライラとした思いで「こんなにしてあげているのに…」と言う気持ちでいっぱいだった筈である。 今、機能低下しないように…楽しめるように…という思いでいっぱいの自分。 この違いは、きっと 病の進行の表れでもあるよね。
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