母のタイムスリップ日記
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2003年11月10日(月) 人間出来てないなぁ〜


 GHに出向くとソファーに座っている母が「おいでおいで」をした。
向かい側に座っている入所者さんが声を出して笑った。
隣に座ると母がいきなり「あんた、毎日ここに来ないと駄目だよ」と言う。
昨日 訪問していないなんて覚えてない筈なのに…。
「怒っているの?」と聞くと「いや」と言っていたけれど ちょっと険しい顔をしていた。暫く隣に座っていると母は、テレビの画面に見入っていた。
「あんな 大きな口をあけていたら 吸い込まれるみたいで行儀悪いねぇ〜」とCMをみて言っていた。
お説教調の母みたいである。

職員から「お出かけですか?」と聞かれたので「近場でも歩こうと思って」と返事をして間もなく体温計がテーブルに並べられた。
「接種ですか?」と聞くと「そうだ」と言う。
「直ぐですか?」と聞くと「そうだ」と言う
「散歩どころじゃないんじゃない?」と言う言葉を飲み込み「体温測ったほうが良いでしょうか?」と聞くと「そうですね」と言う返事だった。

居室に入り乾布摩擦をして下着ぐらい替えようと思った。
カーディガンを脱ぐと男物のトレーナーを着ていた。
急ぎロッカーから下着と服を取り出そうとしたらAさんのブラウスが入っていた。シャツを出すとFさんの名が書いてある下着だった。
集団生活から仕方ないのだろうけれど少しうんざり。
責任者に「違って入ってました」と差し出すと「あら、Aさんのブラウスじゃない」と言った。そう、私にだってAさんのだって分かるのに…。
職員には 分からないのだろうか?
下着などは似ているものが多いので名前の見落としがあれば迷子も仕方ないと思うけれど…。
毎日 一人一人の事をどれくらい意識してもらえるのだろう…。
職員みんながそうでは ないのだけれど…。
勤務状況を聞いて「誰?」と問い詰めるのは簡単だけれどそうする事に意味を見出せないけれど…。

予防接種が1回でよくなってから何年経つのだろう。
ワクチンが足りないと騒ぎになって以来1回出よいワクチンになったのだなぁ。2度の接種は体調が狂う事の多い高齢者にはなかなか大変だった。

医師が回ってきて接種してくれた。
罹り付け医ではないので仕方の無い事なのかも知れないけれど…。
医師は母に向けて一言も発しない。職員とは話すのだけれど…恥ずかしがり屋さんなのかな?もう一年半もいるんだけれどなぁ〜。
罹り付け医は1回通院しただけで名前で呼んでくれたけれど…。
注射を終えて母が「有難うございました」とお礼を言ったのに言葉を返したのは職員だった。「いつもちゃんとお礼を言うのねぇ〜」

予防接種の済んだ人からおやつを貰っていた。
接種前から「ラーメンと焼きそばどっちがいい?」と職員が聞いていた。
でも、母に聞く事はなかった。私が散歩に行くと言ったからだろうと思った。でも、接種が終えても母にはおやつだと呼びに来なかった。
母は気が付かないからいいけれど…。
カップ麺の焼きそばとラーメンのおやつだった。今日は少し冷えているからかな?
「麺がかたーいっ」と入所者が言っていた。
「歯ごたえがあっていいでしょ」との職員が声が聞こえた。
そういう問題か?歯が無くて刻み食の人なんだけれど…。
細かすぎるかなぁ〜。
でも、「食べる」って施設の唯一の楽しみじゃないのかなぁ〜。

施設に託している身。自分で出来ないから託している訳で…望みすぎはいけないかな?
やっぱり、私という人間が出来てないと言う証拠だろうな。
達観できればいいのだけれど…。
あー、今日の日記 恥じ入るばかりである。



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