母のタイムスリップ日記
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母は居室で「えーん」と泣いていた。 久しぶりに声を出して泣いている所をみた。
トイレをチェックするとピンポン玉より小さい「物」が浮かんでいた。 きっと、お腹が痛いのだろう。聞いてもどうして泣いているのか母自身がわからないのである。「泣かない。もう泣かない」と言っていたが暫くはグスグスとしていた。
2日ほど面会に行かなかったので部屋に掃除機をかけて、トイレ掃除、部屋の整理を済ませた。 それから、家に向かった。 移動中も表情が固かった。でも、母の傍にいる時間が長くなるにつれて変わっていった。 家に付く頃には、いつもの表情になっていた。
家で編み物を勧めて見た。けれど、今日の母は編みきれない。帽子の作り目をして二目程編みこんで渡してみても、続けて同じ編み方が出来ずに 鎖編みをして尻尾みたいになってしまう。数回繰り返してみたけれどやっぱり出来なかった。 時に机に突っ伏してしまう。 トイレタイムを取ってトイレに行くと排尿時にまたおまけがコロン。 いきんでみても出ないのに…排尿の度にコロンと落ちた。 きっと便秘気味でお腹の感じがおかしいのだろう…と想像できた。
こういう日は、何をやっても駄目な日であった。 在宅の頃は、お手上げの日であったろう。 「お腹が痛いので返ります」「お医者さんに連れて行ってください」これの繰り返しで一日中腹痛を訴えられていた日に相当するのだろうな。
今の母は、痛みや調子の悪さを表現できないから…見た目にはおとなしいのである。また、感じ方も鈍くなってきるみたいである。 この痛みから更に悪くなる…という考える事が出来ないのである。 以前の母はこういう痛みにとても神経質になっていた。 だから、痛みを増幅させていた。
こういう日は、母と正面からぶつかる事が多かった。 「病気ではないのだから…医者に言っても仕方ないんだよ」 と言えるうちは未だ良くて「あのね…」と母が口を開いた途端「わかってるよ。お腹痛いんでしょ」とそっけない返事。 「散歩行く?」「行きたくない」と繰り返して…。 「お医者さんに電話したら動いた方が方がいいってよ」「痛いから動きたくない」 「都合の良い時だけ医者に行くって何なの?動いた方がいいって言ってたのよ」と過激になって行くのだった。
「まずい」と感じてだんまりを決め込むと(母の傍は離れないが)今度は「帰ります」と玄関に行くのだった。
「こりゃしめた。外にいけるぞ」と思うと「荷物が…」となった。 部屋に戻って荷物を詰めて…。 面倒だなぁと思うと「さっきニュースで言っていたけれど電車が止まっているんだって」と出て行くのをとめようとする。 すると「交番に行って宿を探してもらうから いいよ」と言う母だった。 「じゃ、ご飯を食べてからにしたら…」というと「お腹が痛いから食べたくない」と元に戻ってしまうのだった。
最悪なパターンとなる日なのだった。
でも、今は「ご飯食べよう」と言えば「うん」と言っておいしそうに食べてくれ話をしているうちに気が紛れてしまう。 「散歩に出よう」と言えば「うん」といって外に出る。 今日も近くをくねくねと歩き回った。とても早足で歩けた。 近所の方が子供さんと散歩されたけれど母のほうが3倍以上の距離を同じ時間で歩く。ご近所さんもびっくりなさっていた。
夕食も家で食べて入浴して施設に戻った。 私が家に着いたのは9時近かった。 今日の細かい所は、また明日の日記で…。
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