母のタイムスリップ日記
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相変わらず布団が温まる時がない娘。 朝食くらい食べて欲しいとミニミニおにぎりを作っては見たが、米粒を口に運ぶのが嫌みたいだった。 しょうがないので、急ぎ 煮ソーメンを作った。 ダシに生姜のすり卸を入れて、せめて身体を内側から温めてもらおう。 そして、温泉卵をのせて。でも、ちと何かが足りない。薬味にオオバを刻んでおしまい。何とか食べたみたい。
家の中に静けさが戻った時 遠くで郭公の声がした。 今年、2回目。 一回目は、故郷に立つ日の朝だった。 あの時は、もっともっと近くだった。あまりに嬉しくて、娘を呼びに行って戻ったら、もう聴こえなかった。
郭公は、故郷でももう聞くことは出来ないのに…。ここは、故郷より自然に恵まれているのかな?
先日、娘が母に念願の椅子を届けていた。 見かけは、何の変哲もない「おもちゃ」のように見える物だ。 樹脂で出来ているので軽く、肘掛もあり、それでいて安定感もある。 腰をかける部分にクッションはないけれど微妙に曲線が施されておりすわり心地も悪くない。高さも母にはぴったり。他の人では、きっと 足が床に付かないだろう。 昨日、職員が「このまま 座るのですか…?」と不安そうに聞いてきた。 「座ってみてください」と腰掛けてもらったら、「あっ。大丈夫ですね。いい椅子ですね。若い人ならではの感覚で…」と言われた。
娘は「お店で買えば高い物だけど社内オークションで買ったから」と自慢げだった。
今日は、介護保険更新の為の調査の日だった。 昨年は、GHで看護師さん立会いのものとで調査していただいた。 今年は、家で。調査する人と母と私の3人。 約束の時間の少し前に見えられた。 ここの職員(以前デイでお世話になっていた支援センターの方だった)はいつも早めである。ほんとに良い心がけだといつも感心してしまう。 調査の方は、初めてお目にかかる方だった。4月に配属されたとの事だった。 少しどきっとしたけれど、きちんと状況把握のできる方とわかりほっとした。
調査報告書の順番に沿って 聞き取りは進められた。有るがままにお話をして痴呆の部分に関しては、特記事項にしていただいた。
この方は、母の経歴を知らない。また、2月の脳出血も知らない。 そのことを話すと、「とても、そういう事があったとは思えないですね」と言われた。 母は、この間、傍で塗り絵をしていた。その絵を見てその方は更に感心なさった。母への質問も有ったが、母は、生年月日すら答えられない。月までヒントを与えても答えられない。全て、答えはトンチンカンだった。 これが、今の母の実態なのだけれど…。 其れなのに、塗り絵の仕上がりは、別なのだった。 そこに驚きを感じられたようだった。 あまりに褒めてくださるので、急変直前のものをお見せしたら「鳥肌が立ってきました」と驚かれた。
「よく、介護なさりましたね」といわれた。 「でも、これは、GHに入所していたからこそできたのであって、もし在宅だけでの対応だったとしたら出来なかったと思う。」と答えた。
本当にそう思うから。 私は、できるなら施設入所していても直ぐに病院に運ぶのでなく状況によって家族の協力を得ながらでも対応できるシステムを考えてもらえれば…と願っているのだ。 だから、機会のある度にこの事を訴えたいと思っている。 施設側も大変な責任を負う事になると思うけれど、足りない所を整備しながらそうなって欲しいと思っているのである。
さあ、肝心の介護度はどうなるだろうか?
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