母のタイムスリップ日記
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母を連れて来て入浴させた。 家に着いた時「初めて来る所だな」と言っていたのにお風呂場に入ると「懐かしいな」だって。 母の頭の中は、どういう順番で情報が伝達されていくのだろう…。
風呂上りに、おやつを食べてもらう。 故郷の粽である。 中華の粽はこってりと味が付いている。名古屋はういろうで、縦長。 故郷の粽は中華と同じでテトラ型で、もち米だけのシンプルな物である。 それに、砂糖の入った黄な粉をまぶして食べるのである。 「おいしいなあ」と母は、言った。「これ、なあーに?」と聞くと考え込んでしまった。仕方ないので♪柱のきずは、おととしのぉー♪と歌ってみた。 ようやく「粽かぁ」と思い出した。 母の満足げな顔を見るのとこっちまで幸せ気分に成る。
母を施設に送り届けて帰宅。
実は、この帰宅にはタイミングがある。 急変以来、「またね」と言う言葉に 母は過敏に反応してしまう。 だから、そっと帰るようにしている。 でも、何も仕事がないとそっとも帰れない。で、塗り絵だったり、本だったりを渡してその隙に帰って来るのである。 母が気付かぬ内に姿を消せば、母も忘れてくれる。職員も、無駄に忙しくはならない。これが、双方に良いと思うから。
今日は、折り紙を渡した。 急変以来、折り紙が折れなくなっていたのだが、この所 簡単なものなら折れるようになって来た。兜などは折れるのだ。 今日は、ちょっと面倒な勲章を折ってもらう事にした。 勲章と言うのは、コースターである。 何故、勲章かというと…。 母が、教職に付いた頃は、戦争の最中だった筈で、勲章を戴く事は、名誉というか栄誉と言う物で有った筈で、子供達も欲しいものの一つだったのだと思う。だから、折り紙でみんなに勲章をいっぱい折ってあげたのだろうと想像している。だから、記憶に焼きついているのだろうとも思う。 母のお得意の勲章なのである。 まっさらな折り紙を縦4つに折り始めたので今日はきっと折れると感じた。 でも、それから先には、進めなかった。 仕方がないので、先の先の先まで折って、母にバトンタッチ。 すると、続きを折り始めた。 向かい側に座っていたFさんも「そこからなら折れる」という顔をして見ていた。Fさんにも、途中まで折って渡した。 二人ともちゃんと勲章を完成させた。 まっさらな折り紙からは、未だ 折ることは出来ない。 でも、この調子なら二人とも、これを繰り返していけばちゃんと折れるようになるなと感じた。 母もFさんも同じ年である。
折り紙に集中し始めたのを機にそっと施設を後にした。
明日は、リハの日である。 前回みたいに、勘違いしないように気をつけようっと。
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