母のタイムスリップ日記
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2003年03月31日(月) ご近所さんと「うふっ」


 今日は、母の誕生日。
赤飯を仕込み、アップルパイを焼き上げて母を迎えに行った。
風呂上りの母は、ぷんと石鹸の香りがした。
「今日はとても調子が良くて入浴時の衣服の着脱は一人で為さいました。周囲の方にもご自分から声をかけていらっしゃいました」と職員は話してくれた。
よい事悪い事をこんなふうに具体的に母の様子を話してくださるととても嬉しい。まして、今日が母の誕生日と覚えていてくださったりしているともう身内みたいな気さえしてくる。

バスのステップも階段も大分安心できるようになった。
タクシーを使わなくてももう大丈夫みたいだ。
一時はステップを上がるのに膝を折り曲げてあげてステップに乗せて上げないと踏みあがる事は出来なかった。もう、「階段よ」と声がけもしなくともよくなり「気をつけてね」で間に合うようになった。

春の景色を楽しみながらそぞろ歩き家に着いた。
直ぐに赤飯を蒸し上げる為に火をつけた。
かど(鰊)を焼き、酢大豆とほうれん草のお浸しとのりの味噌汁。ささみとザーサイの炒め物を作る。其の間 母は私がパタパタ動くのを眺めたり外の景色を見たりしていた。
予め準備していたので30分足らずで仕上がり母とともに昼食。
「お誕生日おめでとう」「有難う」「で今日は何の日?」「んー?」
こんな具合。反射的に「有難う」は出るのだけれどでもね判らないんだよね。

食後、ご近所を散歩。
出て直ぐ、ご近所のかたが付き添われてお散歩する所とばったり。
お相手は杖を突いて高齢の方とご一緒。痴呆はなさそうだが腰がかなり曲がっている。でも、母を見てにっこり為さった。お連れの方も此方も「こんにちわ」と言いながら「お互いに大変ね」という表情を送信している。言葉は無くても伝わってくる。お互いの状況は言わなくても察してると言った風だ。
「うふっ」

休みながら散歩を続けた。
桜を見上げ、枝垂桜も咲いてなんて素敵な景色なのだろう。陽気もいい。
将に「春爛漫」である。
今度は、お向かいさんが娘さんとお孫さん連れでお散歩。
「お久しぶりですね」と母に声をかけてくださる。母も「こんにちわ」と挨拶していた。

家に戻ってアップルパイとコーラでおやつ。ついでにトマトも。
一休みして施設に向かった。

バスを乗り継ぎ降りると、今度は施設の人がお散歩していた。
母を見て「元気になって良かったね」と声を掛けてくれた。
母と違うフロアの人だが最悪の時の母と出会っていたらしかった。
痴呆も軽いので記憶も残っているようだ。
其の方たちと一緒に施設に戻った。
別れた後「知らない人なのにまるで知っているように優しくしてくださるのね」と母は言った。「そうだねぇ」と返事した。
知っていようがいまいが、優しさを感じ取れればそれでいいよね。心地よい思いが広がればそれでいいんだよね。

今日はこんな風に過ぎて行った。


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