2017年09月11日(月) |
堀川波『実家スッキリ化』★☆☆☆☆ |
堀川波『実家スッキリ化』
読んでいて、こんなにムカムカしてきた本は久々。 外的コントロールがそこかしこに満ちていて、苦しくなりました。
この方は、実家が自分の家なんでしょうね。 自分の家だから、自分がコントロールしてもいい、すべきと考えている。 年に二回しか行かなくても(帰るという言葉を私はあえて使いません)。
「ひとつひとつが家族のヒストリーなので、母は捨てると怒るし、寂しがります。片づけを始めた当初、私がゴミ袋に捨てたモノを取り出して、『これはまだ使える』『今使ってるの!』と理由をつけては捨てさせてくれませんでした。 しかも私が実家から東京の自分の家に戻ると、『あれがなくて困ってる。どこに片づけたんや』とケンカ腰の電話がかかってくることさえありました。」(p42)
「モノを捨てるイコール寂しいという気持ちもわかるのですが、これから10年、20年先を考えればそうも言ってられません。勝手に捨ててしまいたいところをぐっと我慢。両親に『捨てる?』と聞くと拒否反応を示すので、『これ、要る?』『使ってるの?』と、言葉に気をつけながらの確認作業が続きました。」(p42)
「捨てるのを渋る母に効いた魔法の言葉は『もっといいのん、買ったるから!』」(p42)
「『なくても困らない』モノは『捨てるべき』モノ。」(p71)
「本当に大事なのはモノの量ではなく質」(p98)
「私の理想は家にあるモノすべてを使う暮らしです。」(p99)
「そこで私の『片づけブーム』が家族に新たな風を吹きこんでいます。 親にとってはありがた迷惑な話ですが、やっぱり楽しみ(作業)があったほうがいきいきとした気持ちになれるのではないか。両親と同じ時間を過ごしながら、そんなことを考えました。」(p101)
「今ではプロフィールに趣味は実家の片づけと書こうかなと思うくらい楽しんでやっています。次に帰ったときは、カーテンを替えようかな、タオルを買い替えようかな、なんて考えながらみんなが帰りたくなる実家を作っていきたいと思っています。」(p102)
お盆と正月の年に二回ほどしか帰らない
「『家族を思ってやってるんだよ』『片づけが好きだから趣味でやってるんだよ』というアピールを忘れないことがポイント。(略) 親は『あんたも、飽きずに好きね』という感じで私を見ていると思います。正直なところ、本当は片づけなんてしてほしくないけれど、私がどうしてもやりたいと言うから、やらしてあげてるというスタンスみたい。 でも、両親だけでモノを処分していくのは、やっぱり無理なのです。」(p103)
「一方で将来、絶対に捨てなければいけないときが来るのも事実です。 だったら、コミュニケーションを取れる間に、片づけた方が親子関係のためにもよいと思います。」(p104)
「明らかに要らないモノだと気づかせてあげられるのは、実の娘しかいません。」(p105)
「私は家は生きているものだと思っています。家を生かしているのは、そこに住む人です。暮らしながら手入れをして、家が喜ぶことをしてあげられたらと思います。」(p106)
「つつましくとも、きちんとした日々を明るく朗らかに過ごしてほしい。両親に対してそんな強い思いがあったからこそ、実家を片づけようという気持ちになりました。家族みんなを迎え入れてくれる場所であり続けてもらいたい。それが私のいちばんの願いです。」(p107)
親の暮らす家は、親のもの。 その家でどう暮らしたいか、どんな場所でありたいと思うのか、それを決めるのは、親。娘じゃない。
そう思います。
堀川波『実家スッキリ化』
|