2017年09月03日(日) |
小林 直子『わたし史上最高のおしゃれになる!』★★★★☆ |
小林 直子『わたし史上最高のおしゃれになる!』
心に残ったところがもりだくださん。
ファッションのみならず、生きる姿勢についてもアドバイス。 何冊も持たなくても数冊持つなら、そのうちの一冊はこれ。
「この世は舞台であり、私たちはその舞台の主人公です。主人公とは、自分に対して自分がどうしたいのかを問いかけ、自分で決定し、目的に向かって行動する存在です。つまり私たちは自分という人生のドラマの主人公を演じる役者であるだけではなく、自分の人生の脚本家であり演出家、そして衣装デザイナーでもあるのです。」(p8) 太陽も音もコントロールできないけれど、衣装は決められる。 「要するに、私たちには、自分の人生という舞台の衣装を自分で決める自由と権利があるのです。」(p8) 「私たちは主人公を演じる役者であると同時に、自分の人生という舞台の演出家です。演出家は客席の一番後ろに座り、観客よりも、より客観的な視点ですべてを把握しなければなりません。私たちがやるべきなのは、他人の意見に振り回されることではなく、観客よりも、より客観的な視点を常に持ち続けることです。」(p9-10)
「おしゃれは人生でもっとも大切なことではありません。私たちの時間も、お金も、エネルギーも、人生でもっと重要なことに使うべきです。おしゃれなどというものは、主人公の人生がうまくゆくためにあるのであって、それ自体が人生の目的ではないのです。(略)そんな楽屋仕事に時間とお金を使っている場合ではありません。人生にはほかにもっとやることがたくさんあります。情熱をかけるべき対象が、すべての人にあるはずです。」(p10)
「自分の人生の主人公の座を取り返すためにも、効率的なワードローブの構築方法について学びましょう。(略)毎日、衣装のことで悩まされなくなったら、堂々と自分の人生という舞台の中央に立ちましょう。」(p11)
具体的な方法へ。 「自分が近い未来にどうあんりたいのかという具体的なイメージがないと、なりたいスタイルも決まってきません。なぜなら服というものは、漠然と着るものではなく、何か目的があって着るものだからです。」(p24)
カラーについて 「似合う色、ふさわしい色というものは、その人の顔色だけで決まる問題ではありません。いくらその色が似合うと誰かに言ってもらったところで、あなたがその色を好きでない、着たくないのだったら、着る必要はありません。」(p35) 「男性でも着るようなアイテムだけでおしゃれでかわいく見えるのはせいぜい20代までです。30歳をすぎると、性別不明のおしゃれとは無縁な人に見えますので気をつけてください。」(p68)
「色にも当然、はやりすたりがありますが、3色以内で揃える、明度のグラデーションをつくる、多色のコーディネートの場合は明度と彩度を揃える、リレーションをつくるといったルールは変わりません。」(p72)
「おしゃれに見えるかどうかの重要度では、色の方がシルエットよりも上位にきます。」(p72)
「セールや値引き品を買うことは、まったく恥ずかしいことではありません。 そして何よりも、ファッションにお金を多く使っても人生はよくなりません。」(p119)
「少しでもおしゃれになりたいのならば、いいもの、美しいものを見続ける努力を始めましょう。(略)そんなものを毎日少しずつ見ていくだけでも、美的なセンスは身につきます。重要なのは、ほんの少しの時間でもいいので、やめないで続けることです。」(p122)
「おしゃれはその目的にはなり得ません。おしゃれとは、その主人公の人生の目的達成に奉仕するための一つの手段であって、目的ではないのです。」(p148)
「おしゃれを人生の目的にしてはいけません。重要なのは、主人公の人生の目的の達成のためにおしゃれを使うことです。ですから、おしゃれであることは主人公に力を与え、気分をよくし、より行動的にし、なんでもできるような感情を与え、より自由になることに貢献しなければなりません。それを着て、気分が悪い、落ち着かない、力が発揮できない、自分は弱くてみじめな存在だと感じるのなら、いくらそれを他人がおしゃれだと思ったとしても、そんなものには意味がないのです。」(p148-149)
「おしゃれとは、あなたのしもべです。しもべに主人公の座を明け渡さないように、しもべを必要以上にかわいがらないように。そして、しもべにコントロールされないように、主導権を奪われないように、あなたをみじめな思いにさせないようにしてください。」(p150)
「すべてこの世は舞台。その舞台の主人公は自分自身。その主人公のよきしもべとなるような、主人公の活躍を助けるような、落ち込んでいる主人公を元気づけるような、そして結果的に、すべてのかかわる人が幸せになるような、そんなワードローブを構築しましょう。」(p150)
色合わせの時に考慮すべきポイント 「●洋服そのものの色 ●素材 ●デザイン、シルエット ●シーン(照明と背景、周囲の人々)(p169)」
自分の理想のボディで服作りをしているブランドを見つける方法 「ありとあらゆるブランドを片っ端から着てみる以外に方法はありません。」(p191)
外しについて。 「なぜおしゃれな人たちはこうも完璧を嫌って、それを回避するスタイルを考え続けるのでしょうか。 まず一つは、完璧であるとは隙がないということ、しかもそれは一種の防御のかたちをとった、攻撃でもあるからです。」(p204-205)
「完璧には、それ以上という状態がありません。完璧とは、それで行き止まりということです。もう進歩や進化や成長はありません。これ以上、進歩も進化も成長もないということは、実に退屈なことです。そして行き止まった先には、崩壊が待っています。」(p205)
「完璧でないということは、まだ未来があり、発展や成長する可能性が残されていて、防御的ではなく開放的であり、自由に誰ともコミュニケーションすることが可能ということです。そして、何よりも魅力的であるということです。 魅力的であるとは、引きつけられるということです。その引きつける力を人為的につくるために、抜け感、着崩しし、外しのテクニックが用いられます。」(p206)
だらしなく見える理由を知っておく。 「カジュアルなスタイルがだらしなく見える理由はなんでしょうか。理由は簡単です。カジュアルなスタイリングに使われる多くのアイテムが、もとは下着であったもの、もしくは作業着、そしてスポーツウエアであったものだからです。」(p209)
「工夫のために必要なのはお金ではありません。観察力と審美眼、創意工夫する能力とそれを実現する努力、そして何よりも、自分で自分のことが大好きという気持ちです。自分が嫌いであったなら、どうしてこんな努力をそんな嫌いな人のためにできるでしょうか。」(p228)
「その自分のために、自分らしさを表現するユニークなものを探すのはあなたの義務です。この世という舞台において、主人公を主人公たらしめるための、あなたに与えられた使命です。 そしてそれができたとき、あなたはおしゃれな人になるのです。それができないのなら、それはファッショナブルではあるけれども、退屈で、魅力のない凡庸な人です。忘れ去られる、せりふのない脇役、もしくは通行人です。」(p228)
「誰も知らない、すぐには見つからない、何度も失敗してしまい、なかなか本当に自分にふさわしいものにたどり着けない。それでも、それを探す価値はあります。 もしそんなものが見つけられたら、ずっとそれと一緒にいましょう。いつもそれを身につけていましょう。それはあなたのお守りです。それはあなたを助けてくれます。それはあなたを決して裏切りません。それはあなたに命令しません。それはあなたを自由にしてくれます。それはあなたより出しゃばって活躍したりしません。それはあなたの心を明るくし、安定を与えてくれます。それはいつもあなたを励ましてくれるでしょう。 そんなものが見つかったら、それはあなたの永遠のパートナーとなります。それとともに、主人公はこの世界という舞台で、自分という役を演じるのです。唯一無二の自分という役を。」(p229-230)
おわりに。 「自由に着ていいのです。誰かに何を言われたって、どう思われたって構わない。もちろん失敗してもいい。うまくいかなくてもいい。誰も認めてくれなくても、誰に知られなくても、そんなことはどうでもいい。 失敗しなければ成功しないし、誰かが何か言ったって、その誰かはあなたの人生の責任をとってはくれません。」(p235)
「誰も認めてくれないかもしれません。それどころかその失敗は誰かに笑われるかもしれません。現実は何も変わっていないと感じるかもしれないけれど、ここでおしゃれになると勇敢に決意したこと、恐れずやってみたこと、思い切って試してみたこと、恥ずかしい失敗をしたこと、それでもまた起き上がって行動し続けたそのことが、誰にも奪えない宝物として、生涯を通じてあなたを支えるのです。」(p236)
「播いた種からはいつか必ず芽が出ます。かけた言葉は、遠い未来に必ず戻ってくるでしょう。あなたの願いを叶えるのは行動したあなただけ。そして、あなたをおしゃれにするのはあなた以外にはいません。」(p237)
参考にしつつ、失敗を恐れず、トライしていこうと思います。
小林 直子『わたし史上最高のおしゃれになる!』
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