DAYLIGHT
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Wrighterd by enatsu :h/b

鋼の錬金術師を整理する。

13巻まで読んだ時点で1巻から読み直して、判ったことを整理してみました。
物語の全体像は大体見えてきたんだけど、肝心の中心部はまだ見えんのだよなあ。
まあ人間ドラマとサスペンスの二本柱で引っ張る話しではあるし、肝ネタは最後の最後まで明かされんと言うか、恐らくは最オチに使用されるんだろうけど。トリシャがホーエンハイムと交わした約束ってなんだったの(←多分これが最オチかと、今のところ)。

・ヒューズ准将は何故消されたか。彼はどんな情報を掴んでいたのか。
まだ「本筋」がやっとちょっとだけ動き出した段階でソッコー消されちゃってんですよね、この人。
あの時点で掴むことが出来そうな情報といえば、「アメストリアの国土そのものが、実は各地の紛争地域を頂点にして描かれた、巨大な錬成陣である」ということくらいですか。
しかしそんなことくらいなら他に気付いとりそうな人もおりそうなもんなのに、なんで准将だけが消されないかんかったのか。
一つ考えられるのは、ヒューズ准将がエルリック兄弟を介して賢者の石や人造人間の存在を知っていたために、巨大錬成陣も「妄想」や単なる「偶然」などではなく、誰かが意図的に作ったものであると確信できる立場にあったということ。
そしてもう一つは、辺境各地の紛争も、巨大錬成陣を描くために意図的に起こされたものだったとすれば(作中ではイシュバール内戦についてしか具体的に説明がされてないが、ここまできたらもう恐らくはどの紛争も、人造人間が暗躍して軍が介入してんだろう)、軍そのものが、或いはもしかしたらアメストリアと言う国家そのものが、術者が錬成陣を描くために用意した手駒に過ぎないという可能性に気付ける立場にあったということだ。
なんつうか。ほんと災難でしたね。

・じゃあなんでロイ・マスタング大佐は生かされてんのか。
国家錬金術師になれる程の人材なら、“人柱”にできる可能性があるから…かと思ったけど、
逆か。
“人柱”となり得る資質のある錬金術師に国家資格を与え、予め義務と特権で縛っておいて、いざ本使用という時のために管理・把握してんのか。

・術者の目的とは?
12巻でマルコー氏が「アメストリア国民を賢者の石に変える」旨を示唆していましたけど、それはまだ手順の一つであって、最終的な目的ではないんだろうなー。術者はどうも随分と大昔から人体錬成を繰り返して生き長らえてるみたいだけど、一個人の不老不死を目的とするには余剰エネルギーがあまりにも多過ぎだろうし、“人柱”の用途も不明だし、聞いてたエンヴィーも鼻で笑ってましたしね。

一応できるだけ簡潔にまとめました。専門のファンサイト等ではとっくに語り尽くされとる話しなんだろうなーと内心では思いつつも(ニガ)、語らずにはおれん性分なんだ。正直済まなんだ。
漫画的には「エルリック兄弟あばれ旅」な1巻も核心が見えてきた13巻も、変わらず引きが強い作者の志しの高さと構成力には心から頭が下がります。
それとやっぱ個人的には7巻が神過ぎた。悪党とは等価交換の必要無し!!!!!!

2006年03月31日(金)