hazy-mind

2006年02月05日(日) 『無題』 詩


君が目をあけると、
すべてがぼやけていて、空だけがはっきりと見えた。

魚が空中を泳いでいるのをみて、君は夢だと気づく。


いま、自分はなにを持っているのだろうと

夢の中で君は考える。


身体と服と携帯電話。あとそうだ

あてにならない感情。あてにならない感情。


君は急にさみしくなって、携帯電話を耳にあてて叫んだ。
電源が入っているかどうかも見ずに

「もしもし、もしもし、今どこにいるの?
 私は、私はここにいる、ここにいるの!」

それから君は叫びながら携帯電話を目の前の魚に向かって投げた。
魚は砂になって、ぱさっと地面に落ちた。
携帯はどこかへ飛んでいった。


すべてがぼやけている空だけがはっきりしているすこし灰色の空。

君は携帯電話を探すために歩き始めた。

「あてにならない感情」

そうつぶやきながら


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