そうして手に入れた色だけの狂気を許す、どこまでも遠い人を恋うることも。 雨が何かを押し流すように降り、圧迫感に心臓が苦しくなっても、明日はまた空が晴れているのではないかという希望を抱いている。 それは馬鹿げたことかもしれない。 もう少し、もうすこしと 眠りに就くのをただ躊躇っている。
目を閉じなくても明日が来るのをよくわかっていて、それでも悪あがきをするように目を開いている、 まだもう少しだけ、そこに希望があることを 認めたいのか認めたくないのかわからない
これもまた、ゆるい絶望であることがよくわかる
欲しいものがある。とても欲しいものが。 僕はそれが、とてもとても遠くあきれるほど遠くにあることを、幾度となく確かめ認識してきて、何度も何度も死に瀕するまで絶望して、 少しずつ少しずつ自分自身を殺しに殺してきたのに、
また芽吹くのだ。
目を、見交わすこともなく、ただ名らしきものを見るそのことだけで
心が、何度も、咲いては散り咲いては散り散ってなお
穏やかに笑う。 そこに心がなくていいと思う
いとしいひとが、いるとか、いないとか、
いないとか、
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