こころの大地に種をまこう 春名尚子の言霊日記

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2003年02月04日(火) 宮古島から 愛を込めて。 てへっ


 宮古島日記。その1

 東シナ海に浮かぶ美しい島、宮古。
 沖縄本島から南西へ320km離れた東シナ海の洋上にその龍宮城は在る。
 私は今、そこにいる。


 沖縄本島に9年間も住んでいたというのに、私は宮古諸島も八重山もいったことがなかった。
 行ったことのある離島と言えば、慶良間諸島、久高島、平安座くらいだ。
 「忙しい」「金がない」ということを言い訳に、私は沖縄の本質から眼をそらしていた、のかも知れない。

 今回の宮古入りは、お仕事。
 10年来の親友Kが働くダイビングショップで立ちあげようとしている
 新しい企画に参加させてもらえることになったのだ。

 小説を書くのに集中するために、ほかの文字の仕事をやめていた私だが、
 昨年末、心斎橋でショップのオーナーと会って話しを聞いた途端
 「やります!」と即答した。
 「やります」どころか、「やらせてください」の勢いだ。

 それこそ私がやりたいと願っていた仕事だった。



 2月には宮古、宮古!と呪文のように唱えながら、
 寒い年末年始を乗り切ってひたすらに物語を書き続けた。
 構想12年、執筆期間9ヶ月という小説も1月17日に仕上がった。

 居を大阪に移して約一年。やっと宮古に来れた。
 いやちがう。

 宮古が私を呼んでくれたんだ。


 Kと最初に出会ったのは19才の時だった。
 彼は、細い身体に白い肌が美しい金髪のパンク少年だった。
 沖縄の陽射しにやられてすぐに肌が真っ赤になってしまうような男の子だった。


 パンク少年は、ある時オーストラリアに旅立って、ダイビングのインストラクターになった。
 今では、その白い肌もいい色に灼けて、細かった腕もずいぶんたくましくなってしまった。
 伊良部の海を語る眼は、ほんとうに輝いている。

 彼のパンクスピリットはいまだ健在だ。

「人間が汚してしまったこの海を、必ず美しくする。いらないものはすべて片づける。
 未来の子どもたちに手渡すのは、軽くなったバトンだ。そのためにやらなきゃならないことが山ほどある。」

 と熱い眼で語る。


 そんなKは「観光客が来れば来るほど美しくなる宮古島」をテーマにECOバカンスという斬新な概念を打ち上げたエコガイドカフェで、エコガイドとして活躍し、日々多くのダイバーを伊良部の海に案内している。

 関西空港を11時35分に出発すると2時間ちょっとで楽園に到着する。
 まだ、宮古に来たという実感は全くわかない。
 ショップのオーナーが迎えに来てくれて、車で平良港へと移動する。
 空が曇っているにも関わらず、港は美しかった。鮮やかな緑色をした海が迎えてくれた。
 軽く打ち合わせを済ませて、常宿となる伊良部島へ向かうことになった。
 平良〜伊良部間はたったの15分だ。高速艇に乗るとあっという間に島に到着してしまう。
 島に着くと、Kやショップの人々が本気で守ろうとしているカヤッファビーチにすぐに向かった。


 ゴミひとつない美しいビーチは、自然のそのままに、あるがままの美しさに満ちている。

 この海から、宮古の自然から、島に暮らす人々から、私はなにを学びとることが出来るだろう。

 どこにいても、美しいものを見られる、感じられる力を鍛えるとともに、この島にしか存在しないなにかをつかみとろう。

 ゆっくりゆっくり呼吸するように、こころをひらいて、感じてみよう。




 海をみながら、ポツリとつぶやいたSの言葉が忘れられない。
「オレは、この海をもっときれいにする。それから死ぬんだ。」



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