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暑いです。ジャンボコークの季節です。 …といきなり宣伝モードに入ってしまいましたがとにかく毎日暑いですね。 チャリ通勤はなかなか過酷でインする前から疲れます。
さてこういう暑い日にはやはりジャンボコークですね!むりやりでごめんなさい。 今日はこのジャンボコークネタなので… と言うか、あまりマックに行かれない方には馴染みのないものかもしれません、ジャンボコーク。 まずはこの妙な商品の説明なんぞを。
説明と言いましてもその名の通りジャンボなコーラですね。 他にもジャンボファンタ・ジャンボジンジャーエール・ジャンボ爽健美茶などがあります。 全国どこのマックにでもある…んでしょうか。 何か最近よくわからないんですよね、サンキューセットとかもやってない地域あるみたいだし。 とにかくそんなジャンボドリンク。 量はドリンクRサイズの2倍です。
実はこの商品、去年の夏から登場してたんですけどね。夏限定メニューで。 まさか今年もやるとは思いませんでした。 今年は去年よりも早く始まって、5月にはもう販売してたと思うんですがそんな初夏の時期にはまだまだ売れません。 最近になってようやくちょこちょこ売れ出しました。 そんな時、ふと去年のことを思い出しました。 そう、去年のジャンボコークの季節…まだジンジャーエールが無くてスプライトがあった頃です。
あの時は「ジャンボコークサジェストキャンペーン」なるものを当時のアホ社員が企画しまして、 まあキャンペーンなどと言いましてもお客さんに向けたものではございませんで。 「サジェスト」とはマック用語で「お勧めする」こと。 たまにカウンターで注文していると「ご一緒にポテトはいかがですかー?」なんて言われたことありませんか? アレですアレ。 早い話が押し売りと言いますか、とにかくする方もされる方も嫌なことこの上ない企画です。 ホント嫌なんですよサジェストって…お客さんは迷惑そうだし断られると空しいし。 しかも商品はジャンボコーク。サジェスト成功率5%ほど。 絶対嫌だ!! こんなやる気のない私達を何とかその気にさせるべく、社員はこんなことを言い出しました。
期間中ノルマ達成すれば1ヶ月間時給アップ! ノルマの2倍達成すれば2ヶ月間時給アップだ!
時給アップっつってもたったの10円ダロー…大嫌いなサジェストしてまでいらねーよそんなの。 なんて思ったバチ当たり者は私と他数人だったみたいです。 販売が始まると同時に、みんな取り憑かれたようにサジェストを始めました。 サジェスト成功のコツは、まだ注文が決まっていなくて悩んでいるお客さんに新商品を勧めてみるとかセットをご注文された方にデザートを勧めてみるとか適当に見極めてやることなんですが、 今回の商品は1人じゃ到底飲めそうにないバカでかいドリンク。 一体どういうお客さんに勧めりゃいいんだ!! と、言うわけで。
クルー達は見極めは無理だと判断し、『下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる』作戦に出ました。 そりゃあもう老若男女一切問わず、合言葉は 「ジャンボコークはいかがですか?」 実に恐ろしい光景でありました…
そんなサジェスト合戦が繰り広げられていたある日の出来事。 誰よりも時給アップに情熱を燃やすSW-MGR樺嶋くん(仮名)はその日も朝から狂ったようにジャンボコークをサジェストしておりました。 既にノルマは達成、目指すは2ヶ月間の時給アップです。 彼が半分以上埋まったサジェストポイントカードを嬉しそうに見つめていた時、正面の自動ドアが開きました。 お客さんがいらっしゃったのです。
樺嶋くんは誰よりも早く「いらっしゃいませ!」と叫び、お客さんのもとへ飛んで行きました。 そのスピードに追いつけるものは誰1人いません。 樺嶋くんの時給アップにかける情熱には誰もが呆れて負けを認めていたからです。 さて、入って来たのは小学校高学年くらいの女の子2人。 どう見てもジャンボコークなんぞ飲みそうにありません。 しかしさすが樺嶋くん、少しも怯まずにあのセリフを口にしました。 「たっぷり入ってお得な250円、ジャンボコークはいかがですかっ!?」 ちょっと自信が無いのでもしかしたら値段間違っているかもしれませんが見逃して下さい。 とにかく樺嶋くんはその小学生の女の子2人に実に爽やかにサジェストをいたしました。 するとその女の子、「絶対買わねーよなー」なんて私達の囁き合いを見事に裏切る一言を発したのです。 見事に…色んな意味で裏切られたと言いますか。 あんな答えが帰って来るなんて、私達だって、サジェストした樺嶋くんだって、こんな企画を考えたアホ社員だって、誰にだって予測できなかったでしょう。 女の子は樺嶋くんをちらりと見遣ると持っていた500円玉をカウンターの上に出して言いました。
「しょーがねーな、買ってやるよ。」
「……」 「……」 「……」
一瞬、マックは沈黙しました。 しかしサジェストが成功したことに気付くと、樺嶋くんは抜けかけた魂を呼び戻し、 何とか笑顔を作り直してお会計を済ませました。 「では、238円のお返しになりますっ!少々お待ちください!」 そして樺嶋くんがドリンクを作ろうとしたその時。
「おう。客席まで持って来い。」
嗚呼、小学生女子恐るべし。
「…か、かしこまりました…」 がっ、頑張れ樺嶋ーーーー!! ←私達の心の声 数分後、複雑な表情をしてポイントカードを見つめている樺嶋くんの姿に少し涙が出ました。
とかまあこんな風に書いちゃうと嫌なお客さんの話みたいですが、実際は私ら笑い堪えるのに必死でした。 女の子がごく普通の小学生だったことと、クソ真面目でお人好しな樺嶋くんのキャラがまたたまりませんで。 1年も前のネタで私達が未だに面白がっているなんて当の樺嶋くんは全く知らないでしょうね… ごめんよ樺嶋くん。みんな君の事が大好きなんだ。 どうぞこれからも頑張って下さい。
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