2003年07月14日(月) :
オープニング
映画やゲームの場合。 私は、何かしら「わくわく」させられるオープニングに心惹かれるんです。 こういう媒体の場合は、映像と音楽の組み合わせで、「これから一体どんな物語が展開されるんだ!?」と心躍らされるような。で、そういう人間なので、大絶賛の声の高い『千と千尋の神隠し』は、いまいちわくわくしなかった……。これは多分、私がただのアホである証明なのでしょうが、カオナシって結局何だったのさー。宮崎アニメで言うなら、私は『天空の城ラピュタ』が大好きなのです。いいなあ、ああいう男の子と女の子の冒険活劇。 ゲームで言うと、『ファイナルファンタジーIII』。あのオープニングは、未だにぐっとくる。秀逸。『I』のオープニングもいいですけど。勿論、『オウガバトル』サーガは、お決まりのオーバーチュア、これだけでわくわくします。割と、音楽の比率が高いんですよ、私の場合。映像そのものより、音楽が。イントロ。 とにかく、わくわく感があること、これが私のオープニング条件なんですが。
小説の場合、条件は変わります。 難しいじゃん、人間の情感に訴える映像も音楽もないし小説って。オンライン小説というジャンルはともかくとして、普通、小説っつーのは文章だけで勝負するもんです。 で、小説の冒頭って、大きく分けて二パターンあると思うんですよ。 まず、何かが起こっていて、そこに登場人物たちが何やかやして、説明は後からついてくるパターン。 もう一つは、舞台説明が先にあって、登場人物が順繰りに出てくるパターン。 私が書くと、後者のパターンが多いです。『Shadow Saga』も『華京騒動録』も同じパターン。 小説つーのは、それこそ映画やゲームと違って、「すぐ止められる」でしょう、受け手が。映画なんかは、「何じゃこら!」と思っても、何かつい最後まで見てしまうことありません? ゲームも、開始して10分くらいで嫌になることなんか、あんまりないと思うんですよ。 小説の場合は、「何これつまんなーい」と思ったら、本の場合は閉じちゃうし、Webだったらブラウザ閉じたり、別のページにいっちゃったり。実に簡単。 その分、冒頭に工夫が必要だよなーと思うんですが。何か読みたいなーこれ、と思わせる工夫。文章の書き癖なんかもありますが、自分で読む場合、どういうのが好きかなあ、と考えてみると。 いきなり会話文から始まるのは、ちょっと苦手かも。ていうか、割と自分が固めの文章が好みなのかもしれません。軽いのり、は勿論嫌いではありませんが、何ていうのかな、書き手の「知識と教養」に裏打ちされたような、いわゆる「軽妙洒脱で粋」っていうのがいい。一時、巷に氾濫したうすっぺらーいライトノベル(念のため言っておきますが、ライトノベル自体が薄っぺらいという意味ではありません)、本で言えば下半分がすっかすかみたいなものは駄目です。苦手も苦手。 基本的には、まず「題材を選ぶ」人間ですから、あんまり幅が広くないんですけど。選択の。意外と、文章の好き嫌いは激しいかも……。そうですね、作者の「こだわり」が分かるような文章、好きですね。工夫のある文章。物語の雰囲気にあった描写。「読む楽しみ」が感じられるような文章。で、いっそくどいくらいの描写が好きだったり。だから私の文章もくどい(……)。 ファンタジーなんかで、簡潔に工夫された言い回しの、その世界の神話伝説なんかが冒頭に書いてあるってのも、カッコいいなあ、と思ったりします。どっちかっていうと、「萌え〜」の要素があんまりない、重厚ハードなものが好みです。自分が実践してるかどうか、は全く別の話です(サイテー)。 歴史物の場合は、既にある小説と史実とごっちゃにしてると萎えます。代表例『三国志』(が、実際、本場中国の関帝廟に、82斤の青竜偃月刀置いてるもんなー)。これも己は棚上げで(最悪じゃ)、「もっと勉強しろよー」とか。……何かオープニングからずれてきました。 オープニングっていうのは、読者様を惹きつける、凄い重要な要素だと思いますが。こんなこと真剣に考える奴って変でしょうか。強引に本日の結論。
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