2002年05月11日(土) : 歴史ものを書く

歴史もの。何も史実に沿った話でなくても、現代でない、過去の歴史を題材に扱った話。
これで、何が困るかって、何を何処まで説明したらいいか、です。
言葉一つでも、書いている方が分かっているからって、読んでくれる人が分かっているとは限らない。
だからといって、逐一説明してたらくどい。このさじ加減が難しい。

『華京騒動録』が遅れているのは、こういう理由があったりします。そもそも、自分が、論文に慣らされたせいもあるかもしれませんな。
論文というものは、推察でものを書いてはいけない。仮説一つ立てるにも、こうこうこういう文章がこういう史料にあって、こういう風に解釈できるから、こうではないか、という理由付けが必要なんですよ、論文には。
だから、学者が小説を書こうとしても理屈っぽくなって、面白いとは言い難いものになっちゃうわけです。
いや、自分が学者だなんて言いませんよー?
大体、私は東洋史を専攻してましたけど、専門は中国古代史で、宋代にはほとんど素人なんですからー。
だから余計、難しいっつーか。

歴史ジャンルというのは、やはり興味を持った人が読んでくれるジャンルなのでしょうが。あまりに知識を前提とした書き方だと、そのジャンルに足を踏み入れたばかりの人にはワケわかんないですしねえ。
いちいち説明してたら、本筋がどっか行っちゃうだろうしなあ……。テンポも悪くなるだろうし。
うーん難しいなあ……。やっぱり、客観的意見が欲しいッス。









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