ゆれるゆれる
てんのー



 ツキコさん、デートをいたしましょう

家の前にある川沿いの畑には、ヒル(カワビル)が潜んでいて、なめくじをちゅーっと吸ったりしている。
株元に潜んでいる毛虫の数も一気に増え始めた。すべてが活動の勢いを増している。

土日は獅子の練習もないので、ひさしぶりにゆったりした夜。



「センセイの鞄」を少しの物足りなさと意外なほどの満足をもって観る。
原作とはまるで雰囲気が違っているけれど、あるいはわざとかもしれないぶつ切りの感じが、心地よかったのかもしれない。

原作の透明感は岩井俊二にでも監督を頼まなければ難しいだろうが、せめて、せめて居酒屋のシーンはもうちょっとがんばってほしかった。
もっとさっぱりして居心地がいい店のはずだし、何より食べ物は文章だけでもほんとにおいしそうに描いてあったのに、画面からそれはちっとも感じなかった。

川上弘美の『センセイの鞄』は、過去5年間に読んだ恋愛小説でいちばん美しい。
本をふわりと抱きしめたくなるようないとおしさを、読んだあとに感じるような本は、そうそうあるものじゃない。

ドラマ、それでもけっこうよかったな。



そういえば日記がいつのまにか2周年を迎えていた。
帰国してからだって1年たっている。
それにしても、過去というやつは。
時間の流れというやつは。
まったく、ねえ。

2004年04月24日(土)
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