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■ 「二つ玉低気圧の森林(限界)」
雨は当分やみさうもない。 彼奴のことを考へたつて、こんな夜には無理ないことです、 だつて彼奴と別れた朝を、好く晴れてゐたと覚えてゐるのだ
彼奴を尊敬してゐたなんて、 是れつぽつちも思やしませんが、
唯、思ふのは、お前は誰? そのときお前は何だつたのだ? いつたい、お前は誰なのだ?
「こんな二つ玉低気圧の通過する日には、山に登つてはいけない、 稜線はきつと台風なみの悪天が支配する、冥王Hadesの領域になつてゐる。」 閉塞前線は正確に我々を絶望させやうとするでせう。 だが、彼奴のニュースを聞いたとき、東京の空は晴れてゐた、 彼奴の稜線に低気圧はゐなかつた
この雨の森は生命の匂ひ Hadesなんかはゐやしない まだ見たことのない一服剱で、そのときHadesの空は晴れてた。
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[以前書いたのが出てきた。いまでも、本気で彼のことを悼んでいたのか、疑問に苦しむときがある。]
2003年05月07日(水)
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