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■ お前が甘いんだぜ、熱いぜ!! (ひゃっほい)
2ヶ月ぶりにスーパーで買い物をした。めんどくさがりの俺としては賞賛されるべき行事だ。
気合が入っているので、すべての棚から何かしらカゴに放り込みそうになるのを、なんとか心で制して、厳選された食材のみを厳選された量だけ選び取っていく。
それにしてはあんまり重くなったので、ちょっと確かめてみたら、マレー風の干し柿500グラムとか、スペシャルプライスのマンゴーとか、不要不急のものもいくつか見受けられたが、まあこの俺がスーパーまで来たのだから許すことにして、帰りはタクシーを使うか・・・と優雅な気持ちでレジに並んだのが、よくなかった。
マレーシアのスーパーのレジというのはどうして、いつも研修中の新人しかいないのか毎回ながら不思議に思う。無事に新人研修の名札が外れると、すぐにもあのサボリ放題の、客の邪魔しかしない棚出しに回るのだろうか。
おかげで、こんな日曜の夕方など、切なくなるほどの混雑ぶりである。
優雅な気分の俺はサイフの小銭が消えていくのにも喜びつつ、不慣れな手つきの店員から2袋を受け取って、珍しくタクシーをかなり値切って家へ帰った。
物を買って何がわくわくすると言って、自分の部屋に戻ってから買ってきた本の紙袋を破く瞬間と、スーパーで買ってきたこまごまを冷蔵庫冷凍庫に割り振る瞬間、これほどのアドレナリン汁モノはない。
「あれ・・・」
いやーな予感はあった。冷たいあの手触りがないな、と気づいていたのだ。
ない。 買ったはずの、そもそも今日はほとんどそれを買いに行ったはずの、お徳用スライスチーズと冷凍チキンのハンバーグ10枚入りが、どこにもない。 タクシー? いや、相乗りだったし何一つ手放さなかった。 そうだ、レジだ。2袋ではなく3袋だったのだ。
小物ばかり10品たらずの品物を、3つに分けるとは思いもしなかった俺が、それは悪い。 でも気づいたら呼び止めてほしかった。ってか気づいてくれよ混んでても。
俺の2ヶ月分のお買い上げ金額のほぼ半分を占める、いちばん軽くていちばん高価な一袋を置いてきてやったのだ。次に行ったときは(2ヵ月後かと思うが)「その節はどうも」ぐらい言ってほしいものだ。
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クラムボンの原田郁子(195)氏が、公式サイトに書き込みを寄せて、こんなことを言っている。彼女はツアー先の鹿児島で、桜島から月が昇るのを見て、地球の廻るスピードに驚いて、「・・・N.Y.も、平壌も、バグダッドも、自分も、みんな一緒に廻ってるのを、想像しました。」
マレーシアも、もちろん一緒に廻っている。なぜだかしらないが、いい気持ちがする。そして、郁子氏は「そっから、月を見上げてる人達を、想像してみました。」
ツキミストからの提言、たまには月を見よう。 上空を見上げる目が、誰にとっても、恐怖のそれでなく、安らぎのそれであるように。 爆弾でなく、白銀色の静かな光が支配する空であるように、たまには祈らせてほしい。
2003年03月30日(日)
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