ジョージ北峰の日記
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2004年07月14日(水) 参議院選挙の結果をどう読むか。

 今回ほど日本人が政治に対して冷静に、かつ正確に何を望んでいるかをはっきり示した選挙は少なかったのではあるまいか。投票率が低かったとは言え、特筆に価する選挙だったと考えるべきである。勿論政府の年金問題、イラク派遣に対する姿勢について批判があったのは事実だろうが、かといって民主党のマニフェストが支持されたと考えるのも早計だろう。むしろ国民は日本の政治、経済、文化、教育のドラスチックな変化を望んでいると主張したいのである。もし政府が(過去そうであったように)国民に対して期待を裏切るような政策しか、今後実行できなければ、国民は政府に対して“No"と言う決意を示したと、考えるべきだろう。その意味で政権与党は安閑としていられなくなったと、知るべきだろう。日本にも2大政党制が根付き始めた言っても過言ではないのではないか。ある意味で、今の政権の隠れた功績である。
 ところで選挙中日本の政治が“アメリカに追従”でけしからんと言った議論をしばしば耳にすることがあった。その代表的な議論は“アメリカのイラク戦争は誤りだったから、日本の自衛隊はイラクから撤退するべきだ”とする意見である。それこそ主体性のない議論ではないのか??−−日本がイラクに自衛隊を派遣したことはイラクの復興を助けるのが目的ではなかったのか?アメリカのイラク戦争を助ける事が直接目的なのではなく、あくまでイラク復興のシナリオを日本独自で考えるのが建前であり、且本音でなかったのか?日本はアメリカの戦争が間違っているのならそれを指摘するために自衛隊を派遣しているのではないのか?日本の自衛隊はアメリカとは全く異なった観点からイラクを見るべきではなかったのか?日本はアメリカと同盟国といっても、アメリカと同じ考え方でイラクに関わるのではなく、全く別の視点、イラク戦争の平和的解決に貢献するために、日本の独自の観点から関わってきた、のではなっかたのか?それがイラクの人々に認められつつあるのではないのか?日本はアメリカと別行動でイラクに関わったからと言って感謝されることはあっても、決して非難されることはないだろう。むしろ何もしないことのほうが経済大国、日本の゛国家”としての信頼を(アメリカだけではなく)世界中から失うことになるだろう。日本が自衛隊をイラクに派遣したのは゛アメリカのイラク戦争の是非”とは関係なく、まず日本はイラクを支援することが第一義的な目的だったとするべきだろう。アメリカの戦争が間違っていたのなら、自衛隊撤退を先に考えるのではなく、アメリカに対して戦争の終結を働きかけるのが同盟国、日本の最も大事な役割ではないのか。
 それにしても日本の政治家の中にはアメリカについての認識が恐ろしく甘い(遅れている)人が多いのではないだろうか?世界の国々の中でアメリカほど宗教も含めて多様な考え方が市民権を持っている国はないのである。ある意味で、政治的にも、経済的にも、科学的にも、アメリカほど進化した人々が住んでいる国はないとさえ断言できるだろう。それは最近話題になっている映画゛華氏911”の扱いを見ても一目瞭然だろう。又日本が本当に困った時助けてくれる国は世界中を見回してもアメリカしかない事も忘れないで欲しい。
 議論の本質をはずしてしまったかもしれない、しかしこれからの政治家は本当の意味で゛心を引き締めて”政治に取り組んで欲しい。今ほど、政治家としてやりがいのある時代は日本にはそう多くはなかったとさえ断言できるからである。
  追伸 現在イラクで活躍中の自衛隊の方々に本当に心から゛安全ありますように”と祈願しております。


ジョージ北峰 |MAIL