ジョージ北峰の日記
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最悪なのは何の意味も無い、当人さえ説明の出来ない、常人では理解の限界を超える、動物虐待、子供同士のいじめ、さらに凄惨な殺人事件など等・・・ 一体どうしたのだろう。誰もが危機を叫んでいる。しかし有効な変革の動きはいまだ手つかず、いや放置されたままと言ったほうが良いだろう。今夜もまた都会の夜の裏町では、厳重なはずの幾つもの心の扉を押し開く、色とりどりの、意味ありげなネオンの洪水。 足元も危ない一人二人、男女のペアが行き交う。 忙しく、やけに丁寧な客引きの声。 安く飲めて、かわいい娘がいるよお客さん。 通された、空間では今ショウタイム、 耳をつんざく音楽、舞台では男女の踊子が、 絡み合い、もつれ合う。 タイツは目をこらさないと判別できないほど薄い。 女は黒、男はベージュ色。 ショウタイムが終わると、あたりは薄暗くセットされ、 うってかわって静かな音楽。 形ばかりの飲食を薦める女性の黒い影。 何処からともなく漏れ広がる、囁き、時に含み笑い、 そして押し殺したような喘ぎ。とろけゆく理性。 こうして、夕べの一時は、お金と共に混沌と朦朧の意識の彼方へ消えていく。 お金、そうお金こそすべてだ。お金があっての人生。 そう考えるのが普通じゃないか。
だが、この欲望に縛られた呪縛こそ、過去の栄えた大都会を含めた国家や社会が滅び去った根源ではなっかったのか。過去、滅びた都市や帝国に発生した巨大な都会、富の集中、富のゆえに広がる虚無、そこから逃れる為の耽美な快楽。 それこそがデカダンではなかったのか。それこそが大都会、ひいては国家が滅びた原因ではなかったか。
で、どうすればこの都会に住む悪霊、悪霊の呪縛から人は逃れられるのか? それは国家、政治、経済、宗教のシステムのありようの問題なのか。 それは一部、そうかもしれない。しかし、日本社会の現代の混乱を見ればすぐ分かることだが、人の心の内面のあり方に深く関わる問題だと考える。人の心の奥深く住む悪霊を、単にシステムを変えることだけで追い詰め、追い払うことが出来るだろうか?とても不可能なことのように思える。 それは、平凡なことのようだが(人間が突然変異でもして飛躍的進化をとげない限り、とても困難なことと思うが)、高い理想を掲げ、人生の指標となる清新な思想、哲学を語り、それを実行できる勇気があり、その上、国家、宗教、人種を超え、誰からも尊敬され、愛される人物、そんな天才、カリスマの出現が可能な超現代ともいえる時代が迎えられた時ではあるまいか。
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