ジョージ北峰の日記
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都会は、一般的に、多くの人が住んでいて、商工業 が発達し、文化的な施設が存在する所と定義されている。 首都となればさらに、国の政治、経済、文化の中心として 機能する場所と言えるだろう。しかし、もう少し現在の 世界の状況を踏まえて定義するとすれば、種々の異なった 文化、宗教、人種が共存するか対立する文明の最前線であるとも いえるだろう。そして都会では、人口はますます増加する傾向 にある。 多様な文化、多様な人種、多様な職業があふれてる故に、人々 に多様な生き方の選択肢を与える。自分の知らない文化を理解 しょうとする人もあれば、排斥しょうとする排他的な人もいるだろう。 経済活動も多様である故に、安易な拝金主義に毒されて人間性 を失ってしまう人も出現する。多様な人生を見て、いろいろ学ぶ人 もあれば途方にくれてしまう人もあるだろう。大都会の行く末は、昔 からデカダンの増大、倫理観の喪失、人間間の争いそして文化・都会 の崩壊であった。 しかし、どうしてそうなのだろう。 国もある一定の年数を超えて 栄えた国はない。いかに超大国といっても(例えば古代エジプト、 ローマ帝国、蒙古)必ず、内部の矛盾が増大し、外からではなく、内 から崩壊していっている。内部からである。 日本だって、超大国 ではないが、バブルの最盛期の後、政治家、官僚、経済人、いや 一般の国民を含めて総倫理観の喪失、無責任、利己主義に毒されて いるかのように見える。 国民一人一人、その事は良く分かって いる。 にもかかわらず、ずるずる崩壊への道を辿っている。 どうしてなのだろう。人間の示す不思議な行動、自滅への 道は、もう後戻りできないのだろうか。 しかし、一歩振り返って 単純に都会を眺めてみれば、そこには胸をときめかす光景が 広がるばかりである。 聳え立つ摩天楼、ビルの谷間に覗く灰色ブルーの青空、 鈍く輝き、急ぎ流れ行く薄い雲。 生暖かい風に、そよぐ街路樹、柔らかな若葉 ゆらぐ光と影。 色とりどりの車が、豹のように街路を行き交う。 モダンなデザイン、色とりどりの洋服 目にもまばゆく7色に輝くダイヤモンド、宝石など等 人の目を奪う店、店、店・・・・ 互いに知ることもない、行き交う人々、時に調和のとれた 流れをみせているかと思うと、街の角々で淀みが生ずる。 しかし、あの女(ひと)は何と目立つんだろう。 ひときわ眩しい白い衣装、あでやかで、しなやかな 容姿・・・モデル雑誌から抜け出てきたような 仮面の美を装う、都会の女 しかし、素敵な都会、都会だからこそ経験する興奮。 華やかな都会! 都会よ永遠に! しかし、華やかさの陰に人知れず忍び寄る、都会に巣食らう悪魔、いや 悪霊。その姿を決して人前に現さない。日々、新聞、テレビを賑わす 事件。曰く、数人の強盗団が金庫を奪う。公人(政治家、教育者 官僚)にまつわる醜悪な収賄。保険金詐欺、更に最悪は親子の間に さえ生ずる保険金殺人。まだしかし、これらは理解の範囲内だ。 つづく。
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