マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 書けなかったシンクロニシティ


実は年末に物凄くショックな事があったのだが、それは日記には書かなかった。いや、書けなかった。
本人の承諾を取っていなかった事が一つと、彼女の状況がまったく今日まで解らなかったので本人から連絡が来るまでは心の中だけで彼女の安否を気遣っていたと言う事が一つ。
その彼女からたった今電話が有り、思いのほか元気そうだったのでホッと胸をなでおろしているところだ。

実はアタシの生き神様の一人であるとても近しい友人の(Y)が、暮れも押し迫った頃、店に電話をくれたのだ。
アタシは「手が空いたのでコレからチョット顔でも出そうかな?」と言う電話だとばかり思っていた。
店ではノリノリでカラオケを歌っている客が居るので良く聞き取れない。
「えっ?なに?聞こえないよもう一度言って?」と、片方の耳をふさぎ問い正すと、彼女の口から出たのは「やっぱり私癌になっちゃったみたいだわ・・・」と言う思いがけない一言。
つい先日もカレーのランチを食べに来たばかりだし、年末も新年早々コマキと3人でランチをしにいこうよね・・・と話していたばかりだった。
検査をする事も知っていたし、27日に結果が出ることも聞いていたけど、まさか・・・・とアタシはたかをくくっていた。

あまりの電話にアタシは店の外に出て、彼女の一言一句を呆然と聞いていた。
彼女は即入院をして、30日には手術だと言う。
そしてしばらくの間連絡が取れなくなるので、変に心配させてはいけないと思って知らせておきたかったという・・・・・・。

そして外で正に彼女と話している最中、お隣の店から昔の常連が出てきて「おう、ママ元気か? ここであったも何かの縁だから、久々に一杯飲んでいくか」と言うので「ごめん、今大切な電話中なので先に店に入って待ってて」と促し、しばらくして(Y)との電話を切って店に戻ったのだ。

お隣から出てきたのは私の母の代からの店の常連で、(O)先生と言うS大学の剣道の顧問の先生だ。
カラクリ箱にも2〜3度は来たが、ここ2年半ほどご無沙汰だった。
彼と飲みながら色々な話をして居るうち、共通の知り合いで亡くなった絵描きの話題になり、「アタシタチも親や親の知人ではなく、友人を失うような、そんな年代になったって事だよねぇ・・・・・・」「明日はわが身だよね・・・」と話していた。

そしたら(O)さんが
「今もさ、隣の店で(A)と言う友達と飲んでたら、その友達の奥さんが癌になったなんて聞かされてさぁ・・・・・・この暮れに奥さんの入院が決まって心配だって、彼ものすごくうな垂れててさ・・・」

「えっ!?(A)ですって!? もしかしたら・・・・・・○△の(A)さん!?」

と言ったら

「なんだ、ママも知りあいなのか?」

と(O)さんも驚いていて

「知り合いなんてもんじゃなくて、大の仲良しなのよ!! い、い、今、正にその張本人と話していたところなの・・・・・・」

そう言ったら(O)さんが、「オレはその父ちゃんと今飲んでたんだよ・・・・・・」
と言う事だった。


元々彼女と知り合ったきっかけは息子の同級生のお母さんで、所謂PTA仲間だった。
彼女はアタシよりもちょっと年上だが、息子の卒業後もPTAたちはずっと仲が良く、年に数回皆で集まっては飲んだくれる仲良しグループの一人だった。
でもアタシはPTA仲間と言う言葉だけで苦手な匂いを感じ、あまり仲良くなれそうな人は居ないだろうなぁ・・・と思っていたのだ。
それでもその会合があるたび、以前のアタシの店「エポック」を利用してくれ、何度か顔を合わせ本音トークをやり取りしている内に、どんどん異質な彼女とは仲良くなり、ウマが合い、それから十数年間こんなアタシをいつも支えてくれ、世話をやいてくれ、親友とも姉ともつかぬ様な大切な存在になっていったのだ。

アタシに何か有れば常に助けてくれ、亭主に何か有ればお見舞いをくれ、金蔵にまで見舞いをくれ、ケンさんの店に飲みに行ける事になったと嬉しそうに報告すれば「チョッピリお小遣い上げるから飲み代の足しにして」と小遣いをくれ、本当に申し訳ないほどこんなアタシを慕ってくれ、目を掛け続けてくれている大切な人だ。

アタシは彼女からの電話後、ちょっと立ち直れなく、日記が空いてしまった。
でも、アタシの日記が空けば真っ先にいつも心配してくれる人なので、何とか書こうと努力しながら年末年始の日記を書いた。

でも、そのことがずっと心に引っかかっていて、彼女の様子がどうしても知りたかったので、彼女のご主人に今日あたり電話で聞いてみようと思っていたら、さっき彼女から「手術も無事に済んで、全然元気だから安心してね」と言う電話が・・・・・・。

「アンタは今大変なんだからお見舞いなんて持ってきても受け取らないからね。来てくれるなら顔だけ見せに来てくれれば良いからね」と、何度も念を押され、アタシは涙をこらえるのがやっとだった。
「せめて本くらい持って行かせてよ」と言ったら「出世払いで良いから今は絶対に無理はしないでよね」だってさ・・・・・・。
自分がそんなに大変な状況なのに尚もアタシを気遣ってくれるその慈悲深さに、アタシは気づかれないように上手く泣いた・・・・・・。
「でも元気そうで良かったよ・・・。2〜3日の内に顔見に行くからさ」そういって電話を切った。
「コマキや数人の常連たちも皆心配してると思うから、日記に書いてもかまわない?」と聞いたら「全然かまわないわよ〜アンタの日記はリアリティーさが一番の良いところなんだから」と言ってくれたので、やっとそのことを日記に書ける事になった。

彼女は敬虔なクリスチャンで、本当に明るくて慈悲深く、おおらかで突飛な部分もあり、とても楽しい人である。
そんな人だから絶対神に守られている。

彼女は夫やお姑さんや自分の母や親類たちの世話をこまめにやき、一人で右往左往しながら身を粉にして動き回っていた。
そんな彼女が痛々しく、又、尊敬の念を抱いていたのだが、アタシが思うに、きっと神様が彼女に何かの事を起こさない限り、彼女が走り続けてしまう事を知って、軽い病気を与える事で、しかも周りが気遣うくらいのちょっとした本格的な病気にさせることで、彼女に休息を与えようとしただけだと思う。

大丈夫!!アタシは彼女の体と心配性な心や疲れが癒えた頃、きっと元通りの回復を取り戻してくれると固く信じている。


2011年01月03日(月)

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