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■ 【エッセイ】 あの頃に返りたい・・・・・・
あなたは10日間だけ好きな時代にタイムスリップが出来るとしたら、今まで辿って来たどこいらへんの人生に再開してみたいですか? たった1つの時代だけに10日間だけ出会えるとしたらです・・・・・。
アタシは16歳の頃のアタシにもう一度再会してみたい。
時は昭和46年・・・・・・。 アタシは親友の節子と不良デビューを果たしたばかりで、あの頃の新宿はサイケデリック一色だった・・・。
あちらこちらにビートルズ・ローリングストーンズ・ジャニスジョプリンなどのハードロックが流れ、LOVE&PEACEのアクセサリーを胸に揺らしながら、細いジーンズのすそをビロビロに解いた若者が絞り染めのTシャツを着、皮ジャンをはおり・・・、ミニのタイトワンピースにマキシのロングコート、ロンドンブーツと言う出で立ちのお姉さんたちが街を宛ても無く彷徨っていた。
新宿のルナと言う深夜喫茶に屯してたアタシ達には10人ほどの仲間が居た。 店のボス共々、皆アタシ達より年上で、貧乏で、ヒッピーを気取る自由人ばかりだが、其々が詩人になる夢や、ロックシンガーになる夢や、絵描きになる夢や、ダンサーになる夢などを持ち、毎晩毎晩熱く語り合い、共感し合い、慰めあい、慈しみ合いながら擬似ファミリー的な集いを持っていた。 最終に乗り遅れたりすれば、そのままルナが宿場になった。
お金など無くても誰かしらが稼いできた日銭で、皆でささやかながらも楽しく飲み、食べ、庇い合って日々を楽しんだ。 あの頃のメンバーに「自分のお金」等と言う意識を持ってたものは誰もいなかったような気がする。 皆と楽しむためのお金を稼ごう・・・。そんな気持ちで皆何かしらの仕事をしていた気がする。
皆におんぶに抱っこだったアタシタチも仕事を持ち、暫くルナからも離れ、水中バレエで得た初めての給料を持ち、皆にご馳走しようと久々に節子とルナに行ったら、ルナにはCLAUSEの看板が掛けられていた・・・・・・。 その後何度足を運んでも、2度と開く事は無かった。 どこへ散らばってしまったのか、それ以来、あのメンバーには会えなくなった・・・・・・。
あの幻の時代・あの幻のファミリーにもう一度会いたい・・・・・・。
先日、その頃の事を思いながら、ダウアーとじょーじんちゃんと店で飲みながら話をした。 「70年代の頃の新宿にもう一度行ってみたいよ・・・・・・」 そう呟くアタシに、ダウアーが・・・。 「あの頃の新宿と今の新宿と、何がどう違うの?」と聞いた。
アタシは言葉を探しながらこう答えた。 「あの頃の新宿は不良の溜まり場だったけど、今よりもっと皆が温かかったんだよ・・・。今の新宿みたいに鋭利じゃなかったんだよ・・・」
そうしたらじょーじんちゃんが「ママ、その通り!! さすが良い表現するねぇ・・・・」と物凄く関心してくれた。 「よし!! 明日の日記はコレを書こう!!」などと盛り上がって話してたのだが、それすらも忘れてて、やっと今日思い出した・・・・・・。
アタシはタイムスリップが出来るとしたら、もう一度切ないほどに温かかったあの愛しい時代に戻りたい・・・・・・。 そしてルナのボスやメンバーに旨いものをいっぱい奢りたい・・・・・・。
2007年07月06日(金)
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