マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記) 嬉しい人に会えた


昨日、ハローワークの帰り、滅多に通らない道を偶々車で通ったら、【まるも】のご主人が散歩をしていた。
ご主人に会うのは1年ぶりくらいだろうか・・・・・・。偶然も偶然だった。

【まるも】と言うのは、松本の女鳥羽川沿いにある、古〜い老舗旅館だ。
一階部分がクラシカルな純喫茶になっていて、鹿鳴館時代を思わせるような雰囲気で、私はその店が大好きで、昔はよく通っていた。
それにコーヒーが飛び切り美味しい・・・。

旅館は素朴で小さいが、ヒノキ風呂のお風呂があり、私はまだ泊まった事はないのだが、親類や友人が来た時には必ずと言っていいほど紹介させてもらっている。
その旅館には、タレントの永六輔や、各種有名人や、作家の方も良く来られ、旅館のご主人と深い交友関係に有る方が多いと言う。

私の母の子供の頃からの親友で、熱海に住み、親類付き合いをしている照子ママ【私は幼い頃からそう呼んでいた】は、私達が松本に移り住んだ頃から、最愛のご主人と年に2〜3度ほど松本に来ては、必ず定宿としてその旅館に泊まるのだ。
【まるも】のご主人ともすっかり仲良くなり、私と照子ママよりも頻繁に普段の交流があるのでは無いかとさえ思う・・・。(笑)

生憎、数年前に照子ママのご主人は肺癌で他界したが、その後も照子ママ一人で遊びに来ては、パパとの旅情を偲びながら【まるも】に泊まるのだ・・・・・・。
「まるもの朝食が飛び切り良いのよ・・・。でも、私が好き嫌いが多いもんだからパパが昔怒ってね・・・・・・」と、照子ママがパパの想い出話を涙ぐみながらするもんだから、私はちょっと悲しくなってニガテなのだ・・・・・・。(苦笑)

その照子ママも一昨年癌になり、今は療養中だが、とても元気になったそうで今年の4月ごろには再び松本に遊びに来れるらしい。
年の暮れに電話が入り、そう知らせてくれた。

【まるも】のご主人は目の病気をし、今では全盲に近く、もうお年も90に近いだろうか・・・・・・。しかしとてもお元気で、朝の散歩、神社の参拝、温泉通いは欠かしたことがないそうだ。
白髪で大柄で、気品のあるそのお顔立ちは、文豪か歌舞伎役者を思わせる。
そんなご主人が杖を付きながら、ゆっくりと農道を歩いていたので、照子ママの事を知らせてあげようと、車を止め駆け寄った。
ご主人は殆ど目は見えないはずなのに、私の声を聞いただけで、私を思い出してくれたのだ・・・・・・。

暫く立ち話をしているとご主人が今は何をされているのですか? と聞いてきた。
今の悲惨な暮らしぶりを話すわけにも行かず、「ええ・・・、趣味でエッセイのような物を書いてます」と言ったら、ご主人が「私の友人に作家が居て、近々【まるも】を書いた本が出来上がるそうで・・・・・・」と言う。
なんでも、深志高校の卒業生で、有名な作家が居るそうなのだが、その人が【まるも】を題材に何かを書いたのだろう・・・・・・。車を変な場所に止めっぱなしだったので私はその事が気になり、詳しくは聞けなかったが、その本を持ってその作家さんが近々【まるも】に来るそうで、私に紹介してくれると言う。

ご主人は財布の中からわざわざコーヒーチケットを2枚取り出し私に渡し、「詳しくあなたの書いたものの話を聞きたいから近々お茶を飲みに来て下さい」と言ってくれた。
うれしいなぁ・・・・・・。
又少しチャンスに近づけるかも知れない・・・・・・。

明日私が見に行く一軒の店は、純和風の一杯飲み屋で、少し私の感覚とは畑違いの店なのだが、そこは【まるも】の位置から女鳥羽川をはさんだ対極にある店なのだ。
店を見に行った後、友人の【M】と二人でお茶でもしよう・・・・・・。
ご主人はお話が好きで、いつもいつも、為になる興味深い話を沢山してくれる。
ステキなクラッシックを聴きながら、大正ロマンのようなレトロな雰囲気の中で、落ち着いた気分で美味しいコーヒーをくゆらせご主人の話を聴いていると、なんだかほのぼのとした嬉しい気分になれる。
今の私にはそんな時間も必要なのかもしれない・・・・・・。


2005年01月25日(火)

My追加
☆優しいあなたは両方 クリック してくれると思うな〜☆ 人気投票ランキング
初日 最新 目次 MAIL