マキュキュのからくり日記
マキュキュ


 (日記) ドラマ・人間の証明


最近、TVドラマをめっぽう見なくなった私だが、木曜日の【人間の証明】だけは、1度目から毎回欠かさずビデオに撮ってもらい観ている。
昔、映画で観たら結構良かったので、アレをドラマにしたらどんなふうになるのかなぁ? と興味津々で、見始めてみたのだが・・・・・・。

私が思うには、かなりドラマとしての完成度が高く、映画よりも時間を取れる分だけ、内容的にも映画を超えたと思っている。
映画とは所々設定や内容が違っているが、配役の選考も良いし、脚本も良いし、竹之内豊もハマリ役だし、音楽も良い。
私はかなりお気に入りで観ているが皆様はどうだろうか。
後一回で終わってしまうのが残念なくらいだ。

ただ、あれほど偶然が重なりすぎる事って無理がありそうだな・・・とも思うが、ドラマだし、もしかしたら本当にあんな偶然ばかりが絡み合う事だって、世の中にはきっと有りえるのかもしれない・・・・・・。

映画にしてもドラマにしても、私が一番この物語で好きな場所は、宿敵であるはずの小山田と新見との間に徐々に奇妙な友情関係が芽生えてくる辺りの、作者の持つ人間味の温かさだ。
その部分がとても活きていて、ドラマ全体の悲しさの中にも、仄々とした温かさを感じられる。
こっつら憎い演出だ。

そして最も興味が有るのは、あの物語には主人公が沢山居ると言う事だ。
主要な出演者皆が、其々、ドラマの主人公であると思う。
皆、何らかの形で、自分が人間だと言うことの証明を明かそうと必死にもがきながら生きている様が良い。
そしてそれぞれが、余りにも何かに飢えていて悲しい。
その辛い飢えを何かで補おうとする時、人間は心や理性を捨てざるを得ないのかもしれない・・・・・・。
心を鬼にしなければ生きていけないのかもしれない・・・・・・。
根本である愛よりも必要になるものが出てくるのかもしれない・・・・・・。
人間の、どうしようもなさ・エゴ・冷酷さ・孤独・貪欲さ・悲しさ・哀れさ・飢餓感などが、奇麗事ではなく、とても良く表わされている。

本当に何かに飢えている時、それから逃れようと思う時、私だったらどんな道を選ぶのだろうか・・・・・・。
そんなことを深々と考えさせてくれる良いドラマだ。

このドラマにこんなにも惹かれるのは、観ていて痛い部分が多い事だ。痛いけど愛しいのだ・・・・・・。
人間のもろさが愛しい。
極限状態に置かれた其々の人間が、自分の生きている証を証明するために選ぶ道の選択肢の皮肉さを、見事に描き切っているからかもしれない。

こう言う人間の裏側の心理状態を悲しく赤裸々に描いたドラマは、本物の大人のドラマのような気がして、大好きだなぁ・・・・・・。


2004年09月06日(月)

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