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■ 【ミニエッセイ】 浅田農産の会長夫婦の自殺が未だに頭から離れない
つい先日に起こったばかりのこの事件さえ、もう風化されようとしているのかも知れない。 今では口にする者達も少なくなって来た。 そのくらい、日々めまぐるしく変わり行く日常社会の中で、私は未だこの事件が心に根強く引っかかっている。 会長夫婦の無念さが、今も尚伝わって来るのだ。
私は浅田農産とて被害者ではないのか? と思えてならないのだ。 きっとどこからか飛んで来た鳥に移されてしまったのだろうから・・・・・・。
今の世の中不景気で、只でさえ苦しい経営難でもがいている人々が多い中、もしも自分の身に降りかかったら誰もが直ぐに正直に通告できるだろうか? 他人事だから非難を浴びせられるが、いざ自分の身に降りかかったら、どうなのだろうか・・・・・・? 勿論、隠し通せるはずもないし、隠してはならないことだという事くらい解っていた筈だ。 【もしかしたら・・・?】と、疑ったであろう。 【早く報告しなければ・・・】と、長い時間悩んだだろう。 でも、まさか自分の所の鳥達が・・・と否定したい気持ちも痛いほど理解出来る。
国の補償が100パーセントであって、信用面でもイメージ面でも経済面でも何も心配が無い状態が出来上がっているならともかくとして、それがまだ完全でない限り、死活問題である。 ギリギリまで【まさか自分の所からインフルエンザを出したなんて思われたくない】とパニックになり、報告が遅れるのも無理もない事のように思う。 まして今まで確固たる信頼を売っていた会社なら、尚更だろう・・・・・・。
会長夫婦はさぞや苦しんだと思う。 残されたものたちは今後、どれほどの苦しさを背負っていかなければならないのだろう・・・・・・。 世の中全てから非難を浴び、攻められ、さぞや辛い思いをした事だろう。 又、この先、何時まで非難を浴び続けるのだろう。 自分達も被害者なのだと、大声で泣き叫びたかっただろうと思う。 あんな、最悪の形でしかそれを訴えることが出来なかった事が、とても無念だっただろうと思う。
生きて行く事の辛さの方が、死ぬ事の恐怖心より上回る時、人はああして死ねるのだろうか・・・・・・。
あんな悲惨な事が2度と起こらないように、国は早く対策を練って欲しい。 弱者を救う世の中に早くなって欲しい。 もしも自分の身に降りかかった時、安心して申告が出来るような・・・、世の中に攻められなくても良いような制度を、早く作ってあげて欲しい。 じゃないと、又、鳥インフルエンザに限らず、同じような事が繰り返されるような気がしてならない。 責任感の強い、まじめな人だからこそ、あんな哀しい結果を選ぶしかなかったのだと思うと、可哀想でならないのだ。
警察に捕まる警察官とか、裁判される弁護士とか、嘘ばかりついている政治家とか・・・・・・、もっと、もっと汚い人々が大手を振ってのさばっている世の中なのに、本当にまじめで良心的な人間は、そんな形でしかこの世の中に抗うことが出来ない、空しい世の中だ・・・・・・。 悪人より善人の方が生き難い世の中にしては、本当にいけないと思う・・・・・・
2004年03月29日(月)
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