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■ 【愛猫エッセイ】デブよ何処へ・・・
今日の愛猫エッセイの主役はミュウーではない。 ミュウーの宿敵、【デブ】である。
この日記を、以前から愛読してくださっている方々は、デブの存在を良くご存知であろう。 しかし、最近読み始めた方のために、少し説明しよう。
ミュウーと言うのは、我が家の一人娘。今秋8歳になる黒猫である。 そして、その一人娘を何時もかつも脅かす近所のボス猫。ドラえもんのジャイアンのような、暴れん坊猫が居るのだ。 白黒のパンダ猫。ソレが【デブ】である。 本当の名前は知らないが、余りに貫禄が有るので私がそう名付けた。
最初、デブの存在を知らず、ミュウーを外に出していて、事件が起こったのは、もう1年と少し前の事だろうか・・・・・・。 ミュウーの引き裂くような悲鳴と共にデブとミュウーが家になだれ込んで来た時は、本当にミュウーが殺されてしまうのでは・・・と思った。 ミュウーの2倍もあるその猫は、ミュウーの上に馬乗りになり、ミュウーが必死に猫キックを加えようが、私やフゥーリィーが『コラ! ダメ!!』と叫ぼうが、ピクリともしなかった。 堪りかねたフゥーリィーが、デブを鷲掴みにし、窓の外へ思い切り放り投げたのだ。 ミュウーはその時のショックで、その後押し入れに閉じこもったまま、丸2日間も出てこなかった。
それ以来デブは毎日、我が家に通い詰め、ミュウーを餌食にしようと狙っていた。 それでも、私達が外に出ると、デブはスーと寄って来てはドテン! と転がり甘えてくるのだ。 自分を放り投げたフゥーリィーにすらゴロニャンと甘えて行く。 きっと何処かで飼われている猫では有るのだろう。
デブはあちらこちらで、猛威を振るい、何処かで猫たちの悲鳴が聞こえると、大抵はデブの仕業だった。
そんな猫達には宿敵のデブも、人間にはやたら人懐っこく、特に私の事が大お気に入りのようで、その事件以来、我が家に通い詰めては、窓の外にへばり付き、ミュウーはそっちのけで、私にスロスリニャゴニャゴしに来るようになった・・・・・・。 餌以外には寄っつかないミュウーなんかよりも、ナンボも可愛い。
しかし、デブは本当に貫禄物で、外に出てしゃがみながらデブを撫でていても、ゴン!ゴン!と体当たりで甘えられると、この私でさえ後ろにひっくり返ってしまうほどの体重。 そんな私達を見ては、ミュウーがやきもちを焼き、家の中でギャオ!ギャオ!フー!フー!一人喚いているのだった。
デブは可愛いけれど、デブがうろつく限り、ミュウーを外に出す事も出来ず、デブとミュウーとの板ばさみになり、私は随分、苦しく辛い思いをした。 フゥーリィーとて、私には「デブを撫でたりしたら、絶対にダメだよ!」なぁんて言っておきながら、自分だってコッソリ内緒で撫でているのを、私は何度も目撃している。(笑)
それから半年が過ぎた頃から、デブが急に痩せ始めたのだ。 私は咄嗟に【デブは病気なんだわ・・・】と思った。 そして、我が家に通う数も徐々徐々に減って来た。 たまに来ても、もう、その体型はミュウーと殆ど変わらなくなっていた。 来れば来るで、ミュウーの事もあり、苦笑物なんだけど、来なければ来ないで、私は物凄く淋しくて仕方が無い・・・・・。 「デブ、最近来ないな・・・・・・」 フゥーリィーも何処か淋しそう・・・・・・。
娘のミュウーだけが、我が物顔で散歩に出ているが、私の胸にはポッカリと穴が空いてしまった。
最後に来た時、私は思わず携帯カメラで写真を撮り、外に出て思い切りデブを撫でてやった。 デブもそんな私に身を任せ、とても気持ち良さそうにグルグル喉を鳴らしていた。
コレがその時の写真。
そしてそれから2日後、仕事に向かう途中、田んぼのあぜ道をヨロヨロとした足取りで歩いているデブを見掛けた。 車から降りて『デブ〜〜〜〜〜〜〜〜!』と呼ぶと、ジーッと私を見詰めていた。デブからは遠く、時間も無かったので、私は仕方なく、断腸の思いで車を走らせたのだ。 デブはソレを淋しそうに目で追い、ずっとずっと私の車を見詰めていた・・・・・・。
私がデブを見かけたのは、その日が最後だ。 それから幾ら待っても、幾ら待っても、デブは現れてはくれない・・・・・・。
暴れん坊だったデブ。
猫達の嫌われ者だったデブ。
愛しかったデブ。
大きな身体をゴツンゴツンぶつけて私に甘えたデブ。
デブよ・・・、今、何処で何をしてるの? 元気で生きているよね? オマエが来ないと淋しいよ・・・・・・。 お願いだから、姿を見せてよ・・・・・・。 オマエに会いたいんだよ・・・・・・。
又遊ぼう・・・・・・。 私はオマエが大好きなんだからさぁ・・・・・・。 デブゥ・・・・・・。
嗚呼・・・・・、ダメだ・・・・・・泣けて来た・・・・・・。
2003年09月16日(火)
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