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■ 【お仕事エッセイ】たった15分間の人間ドラマ
アレから・・・ちっとも売れてない・・・・・・。 売れては居ないけど、違う面での潤いの収穫は日々沢山有る。 我が社の製品は、気持ち良くて眠ってしまっても、15分間で自然に切れるようになっているので、お客様一人一人との接触時間は僅かな時間に限られる。 そこに繰り広げられる、たった15分間の、様々な人間ドラマ・・・・・・。 そんなドラマに出会う度、この仕事を選んで良かった・・・・・・。と、つくづくそう思えるのだ。
地元の翔峰でも、諏訪の布半、紅屋、諏訪湖ホテルでも、色んな人々と出合い、色々な話を聞いて来た。
ある初老のご婦人は、見るからにやつれていた。 目はうつろで、旅をしているニモカカワラズ、少しも楽しそうではない。 マッサージ器に座っていても、心此処にあらず。 「余程お疲れのご様子ですね・・・・・・?」 そう問い掛ける私に、我に帰り、彼女はポツリポツリと話し始める。 お姑の介護や夫との諍いで疲れ切って、半ば家を飛び出す形で自分の僅かな心のバランスを保つ為、一人旅を選び、そして私と出遭った彼女は、涙を浮かべながら思いの長けを言い放つ。 それでも幾分、私に話して気分が晴れたのか、マッサージが終わり、話し終えた頃には随分と元気を取り戻していた。 女性は一大決心をしたかのように、「ありがとう。あなたとイッパイやりたかったわ。ウフフ♪ そうね・・・・・・、もう暫くの辛抱だわね・・・、あなたに出会えて良かったわ♪」そう言いながら、部屋へと帰って行った。彼女の目には、さっきとは違った、力強い光が差していた。
ある新婚夫婦は、どれだけの周囲の反対と言う、高い壁を乗り越え、やっとの思いで結ばれる事が出来たのかを、本当に嬉しそうに身振り手振りで私に話して聞かせてくれた。
ある男性は、癌と言う病気に冒され、何度も何度も辛い思いをし、それでも若く美人な妻を労り、愛しみながら、とても仲良しに微笑ましい夫婦水入らずの人生を楽しんでいた。
ある若者は、営業成績が上がらず、意地悪な上司に悩み、会社を辞めようかどうしようか私に愚痴る。 二人でしみじみと『営業は難しいよね・・・・・・。』などと愚痴りながら、とても仲良しになり、最後にはもう少し頑張って見ますと笑って、去って行った。
ある老夫婦は、旅先で大喧嘩にナリ、そっぽを向き合いながら二人並んで椅子(マッサージチェアー)に座り、体のほぐれと共に心もほぐれて来たのか、終わったころには仲良く肩を並べて部屋に帰って行った。
そして昨日は、もう直ぐ嫁いで行くという娘さんが、最後の祖父ちゃん孝行の為、祖父と二人だけで旅に来たと言うのである。 『スポンサーは祖父だけどねっ!』そう悪戯っぽく微笑む娘さんは、2度も顔を出してくれ、散々私との会話を楽しんでくれていた。 【もっとお爺様の側に居てあげたら良いのに・・・】そう思いつつも、やはり二人で部屋に居るのは退屈なのだろう・・・。(クスッ!) 退屈と言うよりは、照れ臭さと淋しさで何を話したらよいのか解らず、私の所へ逃げ込んで来たのかもしれない。 淋しそうなお爺様の顔を見るのが辛くなったのかも知れない。 何か、微笑ましい彼女の優しさとホンネが垣間見えて、思わずジーンとしてしまった。 幸せになってね・・・・・・。御爺さんを心配させないようにネ・・・・・・。
一期一会と言う言葉があるが、物売りとお客様と言う柵を、チョッと飛び越えた瞬間に、人間と人間との出会いになる。
そして、人それぞれが皆、ドラマの主人公なんだ・・・・・・。と、今更ながらに感動する。
そんなフとした出会いが、今の私の気持ちを何よりも和らげる。 私は書くものや会話やマッサージで、色んな人に元気や笑顔を与えて行きたい。そして、私自身が元気を貰いたい。
何時か、そんなオムニバスドラマ(脚本)を書いてみたいなぁ。 【15分間の小さなドラマ】とか言う題名で・・・・・・。 =^-^=うふっ♪
私が商売下手な理由が、今、やっと解って来た。
店をやっていた頃もそうなのだが、相手をお客様だと思う意識が、どうしても持てないのだ。 どうしても人間対人間になってしまう・・・・・・。 そこに、感情や、感動、優しさや心が生まれてしまうと、商売がやりにくくなってしまう。 と言うよりも、商売をしなくても良いじゃないか・・・。コレだけで充分じゃないか・・・、と思ってしまうのだ。
これじゃ、会社に申し訳ない・・・・・・。(爆)ソレよりも、首になってしまう。 もっと心を鬼にして商売だと割り切らねば・・・・・・。
そう思いつつも、出来そうにない私は、きっと営業には向いてないのかも知れない。 やはり、私は、愚痴聞き屋が向いているのだろうか・・・・・・。
追伸 今、仕事の合間の休憩に家に帰ってきた所。 ワ〜イ ワ〜イ♪ 又、今日1個売れたぁ〜〜〜♪ 嬉しいなぁ〜。嬉しいなぁ〜。 もう1個オマケに嬉しいなぁ〜〜。 v( ̄ー ̄)v
2003年09月15日(月)
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