|
|
■■■
■■
■ 【ミニエッセイ】 母のブロマイド
今朝、久々に母の夢を見た。
まるで、集金人か何かのように、突然母が家にやって来たのだ。 ピンポ〜ン♪ とチャイムを鳴らして・・・・・・。
母の姿は、若く美かった。 私が幼かった頃の母だった。
私は嬉しさと懐かしさで胸を詰まらせて「久しぶり・・・・・・。一体どうしたの? どういう風の吹き回し?」 そう聞いた。
母は普段通りの口調で「チョット探し物・・・」 そう言って、部屋中の引出しを開けている。
「何を探しに来たのよ?」 そう聞く私に苦笑し
「ほら、ほら、私のブロマイド用の写真が有ったでしょう? アレ知らない?」
私は微笑んで、「ああ・・・アレならアソコのアルバムの中よ?」 そう答えると、母は嬉しそうに「映画のオーデションが有るのよ・・・・・・。それに必要なの」と、子供みたいな笑顔を向けた。
母は写真をアルバムから剥がすと、大切そうに封筒に入れ帰って行ったのだ。
「何時も、私の事書いてくれてありがとう・・・。でも、悪口を書いたら承知しないわよ」 そう言い残して・・・・・・。
たったそれだけの夢である。
私は自分のしゃくりあげる声で目覚めた。 枕がびっしょりと濡れていた。
良い夢だった・・・・・・。 愛しい夢だった・・・・・・。
母は黄泉の國で、女優時代に戻っているのだろうか・・・・・・。
その母が探していた写真を、今日のBBSにUPする事にしよう。 きっと母は、それを飾って欲しかったに違いない。
母が大好きだった桜の季節が、今年もまた、松本にもやって来た。
2003年04月17日(木)
|
|
|