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■ 【童話】 はじめての雪だるま
日曜日の朝でした
ベットから ぬけだしたてっちゃんが リビングで お外をみつめています
窓の外は雪景色
おにわには 10センチも 雪がつもっています
「もう 今年さいごの雪になりそうね・・・」
おかあさんが まどの外をみながら そうつぶやきました
『ぼく 雪だるまを作ってみたいなぁ〜』
てっちゃんは おかあさんに おねだりをしてみました
「じゃぁ 雪がやんだら 作りに行きましょうかぁ」
『うんうん! 作ろう 作ろう〜♪』
てっちゃんは おおはしゃぎ
てっちゃんは まどのそとをのぞきながら いまか いまかと 雪のやむのを まっていました
ごごになると ようやく雪がやんで てっちゃんとおかあさんは いろんなどうぐをよういして おにわに出ました はじめての雪だるま作りに ちょうせんです
「先ずは こうして 雪のお団子をふたつ作るのよ かたく かたぁく にぎってね」
てっちゃんは いわれたとおりに 雪のお団子を作りました
「こんどは このお団子を ころころ ころがすのよ」
雪のお団子は だんだん大きくなっていきます
雪のつめたさが てっちゃんのてぶくろのなかにも はいりこんできます
でも てっちゃんは だまっていました
ころがしてはかため ころがしてはかため
やがて 雪のボールは てっちゃんの顔と おなじくらいになりました
『まだまだ ちっちゃいね もっと もっと 大きくしようよ』
てっちゃんと おかあさんは いっしょうけんめい 雪のボールをころがします
オテテが つめたいよ〜 でも がまん がまん
ころがしてはかため ころがしてはかため
すると 雪のボールは こんどは おかあさんの顔と おなじくらいになりました
『まだまだ ちっちゃいや もっと もっと 大きくしようよ』
ふたりでちからをあわせ いっしょうけんめい 雪のボールをころがしました
だんだん てっちゃんの オテテが しびれてきました でも てっちゃんは がんばります
ころがしてはかため ころがしてはかため
するとこんどは おかあさんのおしりとおなじくらいになりました
てっちゃんのオテテは もう つねっても 痛くないほど かじかんでいます
『さぁ これでオーケイ!』
おにわには 雪のボールが ふたつならんでいます 大きなボールと、ちょっと小さめのボール。
「これからがたいへんなのよ この小さいほうの雪のボールを 大きなボールに重ねなきゃならないの・・・ 雪ってとっても重いのよ〜 テッちゃん がんばれるかな?」
『うん! ぼく がんばってもちあげるよ』
でも 雪のボールはとても重くて ふたりで力を合わせても なかなか 持ち上がりません
かじかんだオテテが ビンビンして なかなか力がはいりません
『ヨッコラショ!』
『ウンコラショ!』
『ドッコイショ!』
3回もふんばって やっとこ ふたつのボールが重なりました
重なった雪だるまは てっちゃんより ちょっと チビっこでした
「やったね! てっちゃん!」
『やったね! おかあさん!』
「さぁ あとは お顔をつくってあげなくちゃね」
てっちゃんは おかあさんのポケットの中で かじかんだオテテをあたためます
『おかあさんのポケットの中って あったか〜い』
オテテが少しあったまって お顔作りにはいります
まずさいしょに おかあさんが 用意してくれた スミで てっちゃんは 雪だるまのまゆげをつけました
「あらら ちょっとさがってて なんだか かなしそう・・・」
おかあさんが わらいます
てっちゃんは あわてて つけなおしました
『これでどう?』
「こんどは ちょっと上がりすぎて なんだか おこってるみたいだわ」
また おかあさんが わらいます
また てっちゃんは やりなおし・・・
『じゃあ こんどはどう?』
「あっ じょうずじょうず♪ それでいいわよ」
まゆげの かんせいです
こんどは目です
目はくろい缶のふたと 黒くぬった アイスキャンディーのボウを使いました
『ほーら これで ウインク雪だるまになったぁ〜』
「うふふ ほんとうだ ウインクしてるみたいだわね〜」
さてと こんどは口です
口には おうちにあった みかんをつかってみました
でも なんだか へんてこりんなお顔です
『う〜ん なんかぼく 気にいらないなぁ・・・』
「そうねぇ・・・ ちょっとへんだわねぇ・・・・・・」
『なにをつければ もっといいお口になるんだろう・・・・・・」
てっちゃんとおかあさんは あたりを キョロキョロみまわしながら かんがえこんでしまいました
「あっ! いいもん みぃ〜っけたぁ!」
てっちゃんは おかあさんの あたまにくっついてる かみかざりを ゆびさしました
ちょうど ブイの形をしていて 色も赤でした
「おかあさん それかしてみて」
おかあさんは わらいながら かみかざりを ぬきとりました
それを 雪だるまの口にさしこむと 雪だるまは にっこりと 笑ったように見えました
あたまに バケツをのせて ほうきをもたせて ハイ! できあがり♪
てっちゃんは うれしくて うれしくて ずーっと ずーっと 雪だるまを見ていました
オテテのいたさも どうやら わすれちゃったようです
そして
そして
てっちゃんは
このまま ずぅ〜っと 春がこなければいいなぁ〜 なんて おもっちゃったみたいです
2003年03月27日(木)
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